【note】税理士のアタマの中

医院承継相談室

目次

まずお伝えしたいこと

脅すわけではないですが、承継のタイミングは突然やってきます。

というのも実父が今年の春に脳出血になりまして。

幸い一命は取り留めたのですが、片手足と言語障害が残り今もリハビリ中です。

いやほんとに突然起こるんですよ。

前日の夜普通にFaceTimeして孫とケラケラ笑ってたのに、翌朝いきなり倒れました。

実父は自営業(医業ではなく士業ですが)だったのですが廃業しました。

余生でやりたかった多くの楽しみもできなくなったと思います。

幸い僕の職業柄、廃業の手続きやそれに伴うお金の問題はなんとかなりそうですが、それもなんとかです。

これからまだまだ多くのハードルが待ち構えているでしょう。

なので承継する意思がある方はぜひ、元気なうちに承継計画を立てておいていただければ幸いです。

廃業するのも承継するのも、お金と時間と精神を消費します。

「お金がないのに納税」の罠

承継は基本的に現経営者から後継者に富(財産)が移転しますよね。

日本の税制はその移転に伴って、相続税や贈与税、ときには法人税や所得税を課税します。

一般的には医療法人であれば出資持分が対象ですし、個人事業主であれば資産そのものが対象になります。

問題は無策で承継すると多額の納税が発生するということです。

なぜそれが問題かというと、納税資金がないのに税金を払わないといけない可能性があるからです。

持分のある医療法人の課税リスク

たとえば、現経営者が設立した持分ありの医療法人で、当初5,000万円で出資したけど、業績が順調で、承継時にはその持分が5億円にまで膨れ上がったとしましょう。

そうすると、引退する現経営者は10倍になった富(財産)に見合うものを医療法人から払戻しを受ける権利があります。

いっぽうで、相続が起こったりその権利を放棄したりした場合は、富(財産)の移転が起こったものとして、後継者(相続人)や医療法人や他の出資者に数億単位の相続税や贈与税がかかる可能性があります。

じゃあその払戻金や税金の納税資金をどう工面するのか、という問題が立ちはだかるわけです。

まず払戻金を工面しようとするなら、医療法人が10億円を現金を出すか、足りなければ事業用資産を売却して現金を作る必要があります。

いっぽうで、個人に相続税や贈与税がかかる場合は、基本的に個人はそんな納税資金を持っていないので、医療法人の事業用資金を借りたり、プライベート資産を売却してお金を作らないといけなくなります

それだと、ただでさえ将来的に高額な医療機器の買替えや増床にお金が必要になるのに、税金で資金繰りが苦しくなるのは確実に避けたいはずです。

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個人事業主の財産移転にも課税リスク

個人医院も承継時に現経営者から後継者に富(財産)の移転が起こります。

医療機器はもちろん、建物や土地、権利金関係も全て富(財産)を構成しますからね。

でもこれも同じように、その富(財産)の価格に対して相続税や贈与税がかかります。

じゃあその納税資金はどこから出すのかという話です。

納税者は富(財産)の引き受ける後継者になるのですが、これから働き盛りの若い世代に多額の負担を求めるのは心苦しいという状況はあるはずです。

有効な税金対策は?

こういった問題に対して、国は何も対策を講じていないわけではありません。

当然少子高齢化で後継者不足であることは分かっているので、後継者を守ろうと様々な制度を用意してくれています。

代表的なものとしては、

  • 認定医療法人制度(持分の定めのない医療法人への移行)
  • 事業承継税制
  • その他の財産評価対策

などがあります。

どの制度を利用するにしろ、承継を円滑に進める秘訣は現経営者が元気なうちに進めることです。

理由は冒頭で話ししたとおりです。

判断能力や意思疎通が満足にできない状態で承継対策を進めるのは非常に厳しくなります。

まずは現状とビジョンを明確に

早めの対策が必要とはいえ、すぐに手続きやスキームを実行するのはリスクを抱えることになります。

というのも、現経営者がどのような形で引き継ぎたいか、後継者が承継後どのような事業計画を描いているかによって、最適な対策が変わってくるからです。

たとえば、承継者がどんどん規模を拡大し利益を膨らませていきたいという意向があるのか、はたまた規模はそのままで自分の目の届く範囲で医療事業を運営していきたいという意向があるのか、で必要な対策は変わってきます。

当然、財産評価のために医院の財務状態も考慮に入れる必要があるので、財務分析も必要になります。

島田に相談するメリット

僕は普段歯科医院の税務顧問をしているので、一般的な開業医の先生より多種多様な経営の悩みや問題に触れている自負があります。

しかも財務状況を把握しているので、「こういう対策をしておかないとこれくらいの納税が発生しそうだ」という予測も立てることができます。

ここまではある意味当然のスキル的な話ですが、少しだけ承継支援にかける想いを伝えさせていただください。

現経営者さんのこれまでの功績は讃えるべきものではありますが、これから日本経済が縮小していくなか、後継者さんのビジョンを起点にサポートしていきたいと考えています。

この点で、僕はまだ35歳の若造ではありますが、年齢やライフステージが近い人間であることは、後継者さんに寄り添えるというメリットがあると思っていますし、実際に今まで承継のお手伝いをした後継者さんにはそのような声をいただいています。

お話を聞かせてください

ここまで制度やあるべき論を語ってきましたが、承継は非常に繊細です。

理由は言わずもがな、人間関係や想いが決定を左右するからです。

制度だけではどうにもならない課題もあります。むしろ制度に当てはめるだけでは円滑な承継は実現しません。

なのでまずはお話を聞かせてください。

現経営者さんでも後継者さんでも、どちらからでもウェルカムです。

状況を整理することからはじめましょう。

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