治療から予防へ、患者の常識を変えるには

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こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。

先日こんなアンケートをとってみました。

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結果はこのようになりました。

  • 歯が痛くなったらいくところ:31%
  • 歯が痛くならないようにいくところ:69%

回答数は16票なので、統計的にどうかと言われると万全なデータではないですが、医院のカルテから無作為に選んだ16人の患者さんの声を聞いてみた、と想像していただければある程度正当性はあるかと。

この記事を読んでいただいているみなさんの医院の患者層はいかがでしょうか。

矯正治療専門、ホワイトニング専門、といった特殊な医院な除いて、患者さんの69%はしっかりと定期検診に通ってくださっているでしょうか。

治療した患者さんのうちどれくらいの割合の患者さんが来院(離脱)しているかは、ちゃんと確認しておいてくださいね。

治療メインから脱却しようにもできない、患者さんへ意識を変えるのが難しい、患者さんにもっと予防の大切さを広げていきたいと考えている院長先生は、この記事を読んでいただけると何をすれば良いのかが分かります。

目次

予防型ニーズの根拠

医療従事者ではない僕が言うのは釈迦に説法なのでさらっと書きますが、予防型歯科を経営方針にするなら無視できな重要なポイントを再確認していきます。

こちらは厚生労働省が2019年5月に厚生労働省が公表した「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめについて」です。


この国の考えを僕なりの理解で要約すると、

  • 2040年には高齢人口の伸びは落ち着きつつ、現役世代が急激に減る
  • だから今の医療費水準だと社会保障制度が機能しなくなる
  • そこで様々な施策が必要になるが、そのひとつが国民の健康寿命の延伸である
  • 健康寿命延伸プランのひとつに疾病予防があり、歯周病等の対策の強化が具体的なプランとして列挙されている


なので歯科に関しては今後は「予防をする場所」になることが明らかですし、国がその方針ということですね。

2024年度(令和6年度)歯科診療報酬改定の歯科診療報酬改定の内容から見ても明白です。

でも国の方針とはいえ、歯医者さんが治療をする場所ではなく予防をする場所である、というように国民の常識をアップデートさせるのは現場の歯科医院に委ねられています。

もちろん国も予防を促すキャンペーンを打っていますが、直接患者さんに触れ、話すことができるのは歯科医院だけです。

予防型医院の必須条件は何か

このセクションでは、予防型医院を作り上げていくためには患者さんとどんな関係性を築いていくべきなのか、という視点で話を進めていきます。

予防型の歯科医院が目指すところは、

  • 患者さんが定期的に通い続けてくれること
  • 患者さんが予防の知識を持ち健康でいつづけてくれること

ですよね。

つまり患者さんには、痛くなったら治療しに行けばいいと思っていた常識を捨て、日頃からセルフケアをしつつ、痛くなる前に歯医者さんへ行く習慣をつけてもらう必要があります

ということは、歯科医院の役割は患者さんの行動変容を起こすきっかけを作ることです。

知識を与えるだけなら意味がありません。

患者さんは歯科医院に勉強しに来るわけではないので。

予防型医院に必要なのは2つ

じゃあ最終的に問題になるのは、どうやったら患者さんの行動変容を引き起こせるかということです。

僕は2つの要素が必要だと考えていて、歯科衛生士さんがこれらを身につければ名実ともに予防型医院になる日は近いです。

❶患者の個人的な予防のメリットの把握

最初にお伝えしておきますが、予防をするメリットは医院側が患者さんに押し付けるのではありません。

むしろ医院型が一方的に伝えるメリットのレベルなら、患者側はインターネットや人からの伝達ですでに知っているはずですので。

でもそれだと行動変容は起きません。

なぜならそのメリットが患者さん個人にカスタマイズされた言葉になっていないからです

要するにこういうことです。

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これは鉄道会社の例ですが、歯科医院でも同じことがいえます。

つまり予防という機能を利用して、患者さんはどんな素敵な未来を手に入れたいのかをグリップすることが超重要です

予防の向こう側にある本質的な目的とでも言いましょうか。

たとえば口臭をなくして孫を思いっ切り抱きしめたい、といったことです。


実はこれができる起こる良いことがもうひとつあります。

それは患者さんとの信頼関係を築けることです。

人は他人に対して個人的な事情を打ち明けると、その他人への親密度が高まると言われています

「個人的なことを話す間柄だから関係性が深い」と脳が単純判断してしまうんですね。

これを悪用してしまうと詐欺になってしまいますが、予防を勧めるなら長期的な付き合いになるはずなので、関係性を深めておくことに越したことはないです。

❷圧倒的な情報提供

個人的なメリットを引き出せたとて、それを形にするためには患者さん自身の行動が伴わないと意味がありません。

で、そのために必要なのは圧倒的な情報提供です。

患者さんにとって受け取りやすい媒体は違うので、その手段は多岐に渡って構いません。

なので基本的はこのような考え方で、できることをひとつひとつやっていきましょう。

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じゃあ情報提供の中身はどのようなものが求められているかというと。

それは患者さんとの会話から掘り起こしてストックしていただくのが一番正確で早いのですが、大まかに2つに絞ればこのような内容になります。

  • 患者さんが「もっと早く知りたかった」と思える情報
  • 患者さんが「この先生・スタッフさん好き」と思える人柄

この記事はWebで発信する場合のポイントを解説していますが、紙の媒体でも共通して盛り込むべき要素を書き留めているのでぜひご参考にしてみてください。

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