こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。
患者を患者ではなく人として接するべき、という言葉はよく見聞きしますよね。
でも肝心のそのためには具体的にどうしたらいいのか、という解決策は漠然としていて。
だからいつまでもこの手の問題はなくならないんだと思います。
そこで今回は、この漠然がクリアになる話を僕の体験談を交えて紹介していきます(要点を動画で確認したい方はこちらから)。
僕はここ数年、子供関係でたくさんの医療機関にお世話になっていますが、人に勧めたい医療機関とあまり勧めたくない医療機関、どちらもありました。
その違いはどこにあるのだろうか、と常々考えていたんですね。
で、最近小児歯科さんに子供がお世話になることがあり、勧めたくなる医療機関、逆に勧めたくない医療機関の特徴の傾向が見えてきたので共有します。
ちなみに、これは僕の自論だけではなく、僕の妻も同じ思いですし、子を持つ同世代の知り合いも同じ感想を持っていたので、結構普遍的な課題だと思います。
ということで
- 丁寧に診察してるし笑顔も振りまいているはずだけど、患者のリアクションがいまいち
- 腕には自信があるけど、口コミの評価が良くない
ここら辺のお悩みに思い当たる節があれば、ぜひ最後まで読んでみてください。
今からお話しするのが本当の患者心理であり、ここをフォローすることが本当の意味での「患者ファースト」になるはずです。
患者として体験したこと
先日1歳の子供を連れて歯科健診に行って来ました。
とても印象深かったのは、僕の妻が「今後は親もお世話になりたくなるようにクリニックだね」という話をしていたことです。
というのも、実は以前他の小児歯科さんに行ったことがあるのですが、そこまでポジティブな感想は出なかったからです(決して嫌な医院さんではなかったです)。
どうしてそんな感想を持ったのか、理由を聞いてみました。
そうすると「前の病院は作業的に子供を診て終わりだったけど、今回の病院は愛情を持って接してくれているのが分かった」という話をしてくれたんですね。
その違いはどこにあるかというと。
要は、子供が泣いていても診察を進めることを優先するのか、診察はもちろんしつつ子供が病院嫌いにならないように心で接することを優先するのか、といった違いです。
もちろん歯医者さんは医療機関なので診療を優先すべきですし、事業なので時間的な採算の問題はあるとは思います。
でも、やはり病院は患者からするとネガティブなイメージがあるので、愛情を持って接してくれると患者やその親は安心できるんです。
特に母親は母性本能があるので、余計そういったところに敏感なのかなと思います。
人と接する=感情で接する
もうこのエピソードで患者を患者としてではなく人として見る、という言葉の本質は伝わったかと思います。
一応要約すると、医療を提供する以前に感情でつながりましょうね、ということです。
で、感情でつながることは決して難しい話ではなく、誰もが一度は経験したことがあります。
たとえば好きな異性ができたら感情で繋がろうとしますよね。
どんな話をしたら楽しいと思ってくれるのだろうか、とか、こんな連絡をマメにしたら逆に嫌われないかな、とか、どうやったら自分に興味を持ってくれるのだろうか、とか、相手の感情を探るはずです。
もっといえば、これは恋愛関係だけではなく全ての人間関係で同じです。
職場の人間関係も例外ではありません。
なので患者と感情で接するためのスタートは、
- どうやったら患者さんが病院に通いたいと思ってくれるのか
- どうやったら患者さんが安心できるのか
- どうやったら患者さんが”この先生好き”と思ってくれるのか
を考えることです。
ポイントは主語を患者におくことです。
感情でつながる最大のメリット
じゃあ感情でつながると何がいいかというと、医院の売上に直結するからです。
もう少し噛み砕くと、医院のファンが増えます。
数はもちろんですが、より医院が勧めたいメニューを選択してくれる患者さんが増えるということです。
どういうことかというと。
一般的にそういった濃いファンは患者間の口コミで広がります。
これは特に子育てをしていたらよく分かるのですが、子供の病院選びは近所に住む友人のおすすめを聞くことから始める親御さんが多いです。
まあ、それが一番信頼できますからね。
で、医療機関が知っておくべきなのは、その口コミの内容は医療そのものの話ではないということです。
あの治療法はこんなメリットがあって、といった専門的な話は医療の素人である患者にとっては理解し難いですし、仮に理解できたとしても友人から聞く話はあまり信用できないのです。
そうではなく、結局口コミの話題は「あそこの先生は話しやすいよ」とか「子供の扱い方が上手だよ」とか、医療以外の話が中心となり、良い口コミが伝播してきます。
患者と感情でつながる医院づくり
そうは言っても、簡単に患者さんと感情でつながることができないのが難しいところです。
明日から人に優しくして!と突然言われても無理じゃないですか。
ましてや、接客マニュアルでどうこうできる話ではないです。
おすすめは、マニュアルより先にどういう世界観の医院を作っていきたいかを言語化することです。
これは経営者である院長の仕事になります。
地域の子供が集う医院する、とか、虫歯がない患者さんで溢れる医院にする、といった、まるでビジュアルで伝わってくるかのような世界観をアプトプットしてみてください。
その世界観のなかで、患者さんにどういう感情になってもらえるのが理想的かを想像します。
そしてその感情を実際に持ってもらうために医院として大切にする行動指針を作ってみてください。
この行動指針は院長先生だけではなく、ぜひスタッフさんも含めて患者さんに関わる人間全員で考えてみていただければと思います。
というのも、患者さんと接するのは院長先生だけではないからです。
むしろ数的にはスタッフさんが接する患者さんのほうが多いですよね。
そのときに先ほど紹介した
- どうやったら患者さんが病院に通いたいと思ってくれるのか
- どうやったら患者さんが安心できるのか
- どうやったら患者さんが”この先生好き”と思ってくれるのか
を参考にしていただければと。
そうすると、たとえば、
- 心地良さの追究→「また来たい」と思ってもらえる言葉、表情、雰囲気を徹底する
- 耳を傾ける→患者さんが発する言葉に耳を傾け、大切にする
というような行動指針が出来上がります。
掲げた上で医院全体で実践することができれば、患者さんは確実に喜んでくれます。