【note】税理士のアタマの中

【税理士はどこも同じ?】相性が良い税理士の見つけ方

  • URLをコピーしました!

すいません、歯医者さんはどこも同じだと思っていました。

でも仕事関係で付き合うようになった今なら分かります。

歯科医院は院長先生の専門分野や価値観(いわゆるコンセプト)が色濃く反映された、世界に一つだけの存在なんだということに。

提供する医療の特色、内装にかけた想い、スタッフさん含めた医院から醸し出される人柄、地域への貢献の仕方など、ひとつとして同じ歯科医院はありません。

考えてみれば、経営者のクローンがいない限り、業種関係なく世の中に全く同じ事業体が存在するなんてあり得ないですよね(なぜ気づかなかったのだろう)。

これは税理士事務所だって同じです。

代表である税理士が「どのようなコンセプトで、どのような価値を提供したいか」という哲学によって、そのスタイルやサービス内容が大きく異なってきます

大規模な組織を構成するブランディング力のある事務所もあれば、僕のように「ひとり事務所」というスタイルで、少数の顧問先と深く関わることを選ぶ税理士もいます。

税理士は財産状況や取引状況を全て把握する職業です。

なので単に税務申告を依頼する先ではなく、あなたの哲学に合う人を選んでいただければと。

ということで、この記事では開業歯科医師の方々が後悔のない税理士選びをするために知っておいていただきたい税理士の特徴をお伝えしていきます。

同時に僕自身のスタイルである「ひとり税理士」のメリットとデメリットについて紹介していきますね。

世の中にはこんなスタイルの税理士がいるんだな、とフランクな気分で読み進めていただければ嬉しいです。

目次

税理士事務所の「種類」を知る

税理士事務所を分類する方法はいくつかありますが、規模と専門分野という二つの軸で大体整理できます。

規模による違い

まず、税理士事務所の規模によって提供されるサービス内容に特徴がでます。

事務所の規模特徴メリットデメリット
大規模事務所所長税理士の下に多数のスタッフ(補助者など)を抱える。組織的な対応力、幅広い専門知識、大量の顧問先対応が可能。担当者が頻繁に変わる、窓口が有資格者でないことが多い、対応がマニュアル化されがち。
小規模事務所(ひとり事務所)代表税理士が契約から実務、その他付随業務まで一貫して担当する。クライアントの要望や特性に応じて個別対応が可能。窓口が経営者なので経営者同士の会話がでいる。顧問先の数に限界がある、税理士の能力や経験に依存する、万が一の際の替えが効かない。

大規模事務所では、普段の窓口となる担当者が税理士資格を持たないスタッフであることも少なくありません。

一方ひとり事務所では、直接責任者である税理士と対話できるという点が(というかそうならざるを得ないのですが)最大の特徴です。

専門分野による違い

規模とは別に、税理士には「専門分野」の違いがあります。

で、「専門分野」も税目と業種の2種類の分け方ができます。

専門特化型:
相続税専門、国際税務専門、といった税目別で特化している形態です。
極端な話、税目が違えば診療科が違うのと同じくらい、税目ごとの専門性は異なります。
ケースに応じて、特定の税目における知見が圧倒的に高いプロフェッショナルが必要になったときは、専門特化型の事務所を探すことをおすすめします。

業種特化型:
僕のように歯科医院専門とするなど、特定の業種を得意とする形態です。
その業種ならではの税法の取り扱いや特有の論点、会計処理のノウハウが蓄積されるのが強みです。
また士業を通じて同業の人脈を作ることもできます。

あとは何でもどんとこい、の総合型の税理士事務所もあります。

ただほとんど場合、総合型は人的リソースが必要なので、実現できるのは大規模事務所だというのが僕の感覚としてあります。

ひとり税理士の価値

僕がひとり税理士というスタイルにこだわるのは、大規模事務所では決して提供できない、狭くて深い関係、つまり「専属感」を提供したいからです。

ここからはこの「専属感」ってなに?、という話をしてきます。

柔軟な情報提供

ひとり税理士は、顧問先の数を絞る代わりに、一つ一つの顧問先に深くコミットすることができるのが最大の武器だと思っています。

例えば、お客さんから「こんな資料が欲しい」とリクエストがあったとします。

そのとき発揮するのは日頃のコミュニケーションの濃さです。

「この資料を必要とするのは、前から気になるとおっしゃっていたあれを検討するためなんだな」

「このお客さんの会計の理解度はこれくらいだから、あまり数字の羅列をせずにビジュアルで説明したほうがいいな」

と、そのリクエストの奥にある隠れたニーズを推察することができます。

もちろん大規模事務所でもできると思います。

でも所内のルールやマニュアルがあると思うので、所内で承認を得てお客さんの手元に届くまでは多少なりとも時間はかかるかなというのが正直なところです。

僕は、勤務時代から「情報は鮮度が命」と上司から厳しく指導を受けてきたので、翌日にはお送りします。

その後も、院長先生のフィードバックがあれば、何度でもアップデートを重ねます。

経営の意思決定をするための迅速な一次情報の提供は、それを持っている我々税理士の使命ですから。

密度の高い関わり

レスポンスの早さに加えてもうひとつ大切にしていることが。

人間関係としても外部の業者という立場を超えて、まるで院長先生に雇用されているかのような密度で関わることを意識しています。

点と点ではなく、面で関わるイメージです。

で、この密度を高めるために、内情やプライベートの理解ができるようなコミュニケーションを大切にしています。

というのも、結局資金計画は院長先生の人生観やライフイベント、ビジョンを理解した上で考える必要があるからです

僕の場合は、自分が子育てしていることもあって、同じ世代の経営者の方と共感し合えることが多いです。

あとは、院長先生の右腕となっている方や、従業員さんとの関係性も大切にしたいと思っています。

経営の意思決定に必要な情報を集めるために、意見やアイデアをいただくことが多々あるからです。

ひとり税理士のデメリット

ひとり税理士のスタイルには避けて通れないデメリットも存在します。

それは万が一の際に「替えが効かない」というリスク、です。

ひとり税理士の最大のデメリットは、税理士自身に万が一のことがあった場合、業務がストップしてしまうことにあります。

ただこれは、所長税理士が一人で、その下にスタッフを抱える一般的な事務所でも同じリスクを抱えているのですが。

結局のところ、「誰が最終責任者か」という点で、税理士の替えが効かない条件は変わりない部分もありまして。

このデメリットをカバーする方法はいくつかありますが、僕の場合は万が一の事態に備えて、信頼できる税理士事務所と連携体制を用意しています。

まとめ:税理士選びは診療スタイルと同じ

(知ったような口ぶりになってしまいますが)診療スタイルも標準的でマニュアル化が徹底されたものもあれば、属人的で再現性のないものもあると思います。

税理士の特徴もそれと非常に似ています。

じゃあどちらが良いのかという話ですが、どちらが正解という話ではなく、人によって正解は異なるはずだというのが僕の考えです

もし迷われたら、ご自身の診療スタイルや価値観と合っているほうを選んでみるのも一つの手かもしれません。

というのも、そこに「価値観の一致」を図ることができるからです。

一方でケースバイケースでどっちも使い分けている、という方は、まずは両方のスタイルの税理士に話を聞いてみることをおすすめします。

最後に、今回は税理士事務所の種類とともに、僕の税理士業務へのこだわりについて少し語ってきました。

せっかくなので、この機会になぜ歯科医院にこだわっているのかも含めてプロフィールも目を通していただけると嬉しいです。

シェアはこちらから!
  • URLをコピーしました!
目次