こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。
今回は小児を専門とする医療機関への問題提起をします。
僕は医療従事者ではないので「偉そうなことを言うな」と思われるかもしれませんが、双子の父親かつ、歯科医院をクライアントに持つコンサルタント・士業の立場から伝えたいことを伝えていきます。
こんなことがありました
先日、1歳になる我が子を眼科に連れていくことがありまして。
初めて街の眼科にお世話になるので、近隣の眼科をGoogle検索して、画面から伝わってくる雰囲気であるクリニックを選びました。
そのクリニックの名前は「〇〇(地名)ファミリークリニック」。
いざ中に入ると、最近改装したようで内装は綺麗で、待合室には子供向けのおもちゃがたくさん置かれ、大画面モニターには終始アニメが流れていました。
親としては、いかにも子供ウェルカムというイメージを前面に出しているな、と感じたのを覚えています。
受付の人も看護師さんもみんな子供が好きなんだろうな、という接し方をしてくださいました。
でも唯一、院長先生だけが明らかに子供が苦手そうでした。
苦手というか迷惑そうに顔が歪む場面も。
確かに1歳の子どもは、自我はありつつ言葉は通じないので診療するにはもっとも厄介な年齢だということは理解できます。
が、それを差し引いても院長先生が子どもへの苦手意識が強いのには少々拍子抜けしてしまいました。
無用な誤解を生むことも
患者は疑い深い
こういうケースで気をつけなければいけないこと。
それは医院側の看板(小児ウェルカムな外見)と行動の不一致によって、診察結果に意図しないバイアスがかかるリスクがあるということです。
どういうことかというと。
診察結果があまり芳しくなかったときに「ちゃんと子どもを診てくれていないからおかしな結診断が出たんじゃないか」という疑惑が患者側に湧いてきてしまうんですよね。
必ずしも患者みんながみんなそうではないし、ある程度リテラシーがあれば無用な心配だということは分かります。
ですが、子どものこととなれば感情が先走って盲目的になってしまう親もいるでしょう。
このようなバイアスから生じる損害は患者さんにだけではなく、医療を提供するクリニックにとっても大きな損害をもたらすことになります。
医院側は口コミに苦慮する
というのも、そういうバイアスをかけてしまう患者さんからは、憶測も含めた良くない口コミが広がりやすいからです。
その口コミが広がってしまうと医院のマイナスブランディングになるのは言うまでもなく。
ですので、どんなに看板や建物といったハード面を整備したとしても、医療サービスを提供する本人の行動に矛盾が生じているのは危険だということです。
ましてや、開業コンサルタントに子供もターゲットにしたほうがいいからと言われて、その助言に基づいてハードを整えてしまうのは悪手です。
開業コンサルタントが開業後もサポートしてくださるならいいのですが、医院のコンセプトだけ助言をしてその後は無関係なら、院長先生ご自身がしっくりくるものを熟慮しましょう。
せっかく融資を受けて投資した設備や備品のお金も無駄になりますし、患者側もハッピーにはならないです。
魅力的な小児医療機関の作り方
とはいえ、子供が苦手なドクターであっても、小児を相手にせざるを得ないケースもあるでしょう。
分かりやすいのはど田舎のクリニック。
人口に対する医療機関の数が少ない地での開業であれば、半ば強制的に全年齢層の健康を守らなければいけないですよね。
じゃあそういう医院はどうしたらいいか。
根本的な解決法は「役割分担」を作るということだと考えています。
つまり、小児を担当する勤務医さんを雇うということです。
「自分の医院なのに他のドクターが診察したら患者が喜ばないんじゃないか」と心配になる院長先生がいらっしゃるかもしれませんが、あまり心配し過ぎる必要はないと思っていて。
なぜなら、患者さんはあくまで誰に診てもらいたいかで来る医院を選ぶからです。
極端な話、大病院に通う患者さんも、大病院の看板があるからではなく、そこに診てもらいたいドクターがいらっしゃるから通うんですよね。
なので、小児を担当する勤務医さんと役割分担するのはいかがでしょうか。
これが実現すると、もちろん患者さんは嬉しいですし、医院も医業収益が上がるので誰しもがハッピーになります。
そうは言っても、勤務医を雇うなら資金的な問題が付きものです。
その問題を解決するためには資金繰りの対策する必要があるので、こちらの記事をご参照ください。
小児医療はチームで
さらにいえば、経営者である院長先生だけではなく、患者さんに直接応対するスタッフさんも同様で、彼・彼女らにも言行一致が求められます。
よく大きな病院ほど「医院理念」を掲げていますが、守れないなら掲げないほうがマシと思うことはしばしばありませんか。
組織が理念を掲げるなら、それは行動指針を意味します。
患者の期待を裏切らないような、理念が浸透している医療機関が増えるとより医療はもっと良くなると感じています。
最後に
念の為添えておきますが、子供が苦手な人を否定しているわけではありません。
僕も自分の子供のことは大好きですが、ビジネスとはいえ他の人の子供と仲良くできるかと言われれば、そこまでの自信はないので。
なので、小児医療を専門とする医療従事者の方々を尊敬しますし、感謝しています。
子供が通いたくなり、かつ親が通わせたくなる医療機関が増え、医療機関も無理せず理想の医療を提供することができるように敢えてこのテーマを取り上げてみました。