こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。
僕は税理士でもあるのですが、Threadsでこんな投げかけをしてみました。
Threadsで見る
決してバズったわけではありませんが、Threadsは共感を得られる投稿・得られない投稿が結構シビアに判定されることを考えれば、それなりの共感を得た反応度合いではないかと。
で、この投稿に対する返信が結構面白くて。
原文のママ一部紹介しますね。
税理士さんはコンサルタントではなく税金を正しく納めさせるのが仕事だからではないでしょうか?
投資はさっぱりな人多いよ 不満を伝えた方が良いよ 一人税理士とか探すと良いかもね
税金のプロ=経営のプロではないからですかね。 話していても、どうも目線が合ってない気がします。
見てのとおり、なかには僕が顧問税理士の不満を言っていると勘違いしているアカウントもあります笑。
(本筋に戻って)僕の知り合いでも同じような悩みを持つ方はいるのですが、注目したいのは3つ目の返信コメントにある「税金のプロ=経営のプロではない」という言葉です。
僕が思うのは経営のプロとはなんぞや、ということ。
そこでここからは、経営者は税理士に何を求めるべきなのかという話をしていきます。
経営のプロとは
経営のプロとは何か?
僕はこれが気になったので、そのような投稿をしてきた人にコメント返しして聞いてみたのですが、明確に答えてくれる人はおらず。。。
なので想像にはなっていますが、おそらく経営のプロとは「自社の経営課題の解決してくれる人」だと思うんですよ。
じゃあサクッと解決してくれる”経営のプロ”はどこにいるのか。
普通に考えれば、経営に関する書籍を出版しているような大物経営者がパッと頭に思い浮かびます。
稲盛和夫さんとか。
あとは、現代の超巨大企業の創設者や社長も経営のプロという括りして、反対する人はほとんどいないかと思います。
ビル・ゲイツさん、ジェフ・ベゾスさん、豊田章男さん、孫正義さんなどなど。
問題はこういう大物に経営相談したら、本当にみなさんの経営課題は解決できるのか、ということです。
というかそもそもですが、仮に大物経営者のコンサルティングが無料で受けられるとしたら、受けたいですか?
孫さんがみっちりあなたの医院や会社を無料で改革してくれるんですよ。
ただその代わり、大物経営者のアドバイスは何一つ漏らすことなく忠実に実行しなければいけません。
この質問対して「いや、ちょっと。。。」とあまり前向きになれなかった人は、なぜ前向きになれなかったのか考える必要があります。
なぜなら、経営のプロに経営を教えてもらいたくないという気持ちがどこかしらに存在しているからです。
経営課題の解決を求めるのは間違い
どうしてそんな気持ちが生まれるのか。
それは経営のプロの会社は成功しているけど、その成功はあなたの医院や会社にとっての成功ではないからです。
どんな規模の会社であっても経営者の人間性や価値観が色濃く反映されていますよね。
つまり経営のプロの言う通りに経営改善をしていたら、そのプロの思想に染まってしまうことになります。
みなさんが求めているのはそうではなく、経営者なら譲れない理念や風土があるはずです。
だから無料コンサルティングであっても前向きになれないのではないでしょうか。
さらにいえば、大物経営者の思想に染まるなら仕事だけではなく、プライベートまで侵食されるかもしれません。
経営のプロに「家族を捨てておれの言うことを聞いて働け」と言われたらそうできるのか、という問題があります。
要は、他人に経営課題の解決を任せると、その経営者のこだわりや生活スタイルは捨て去られ、まるでその他人の会社のようになってしまう恐怖を感じるということです。
もちろん、憧れの経営者がいて、彼・彼女に忠誠を誓うならそれでいいと思いますが、そうではない人のほうが大半かと。
必要なのは情報提供と進捗管理
大物経営者に経営のプロとしての関わりを期待していないのであれば、顧問税理士含め他人に期待していないということになります(大物経営者のアドバイスを忠実に聞けないのに、顧問税理士のアドバイスなんか聞けないはず)。
じゃあ税理士には何を求めるべきなのか。
結論から言うと、情報提供と進捗管理です。
経営者の身近な存在である税理士に求めれているのはこの2つではないでしょうか。
間違っても解決策そのものではないですよね。
税理士による情報提供とは?
情報提供とはクライアントの専門外の分野、もしくは苦手分野の情報を適宜適切に提供することです。
税理士でわかりやすい例でいうと、納税予測ですかね。
今年の納税は〇〇万円になりそうです、ということをクライアントが知ることができれば、節税を考えたり、大きな支出の時期をずらそうかという意思決定をしたりすることができます。
あとはその業界に詳しい人だったら、業界の動向や他社(他医院)事例を持っているので、その成功事例や失敗事例をもらえるかもしれません。
これらは「じゃあ自分のリソースや方針を踏まえるとどう活用できそうか」という視点で活かすことができますよね。
ただ、肝心なのは経営者が使える形で情報提供がされること、です。
想像してみてください。
決算書を見せられても会計に詳しくなければ正確な財務状態なんて分かりませんよね。
それだと情報提供されても投資などの意思決定を下すことはできないので、その場での決算書は無価値になります。
だから使える形で変換される必要があるのです。
税理士による進捗管理とは?
進捗管理とは、経営課題を解決するためにやることを設定して、いつまでに誰がやるかをモニタリングすることです。
PDCAとでもいいましょうか。
お分かりのとおりぶっちゃけ進捗管理自体は税理士ではなくてもできます。
ただし、税理士が進捗管理をすると、アクションと経営数字の連動性を把握することが可能です。
要は定性的な戦略と定量的な戦略を同時に練ることができる、ということですね。
「今月こんな施策をして利益がこれだけ増えた。これは十分か不十分か。不十分なら次は何をしようか」という戦略会議が精度高くできると理想ではないかと。
ここまで求めていない、と言われればそれまでなのですが、経営者ひとりでやってみてどうも埒が明かないなら、医院や会社の数字を把握している税理士にその役割を求めてみることをおすすめします。