こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。
開業前の院長さんが一度は悩む内覧会をやった方がいいかどうか問題。
僕の答えは、正直に言うと「どっちでもいい」です。
こう言うと「そんな曖昧な答えは求めてないんじゃ」と怒られそうなので、もう少し詳しくお話しさせてください。
やるなら間違ったやり方をしないように注意する、やらないなら別の施策でしっかりカバーする。
これが鉄則です。
今日はこの両面について、僕なりの考えをお伝えしていきます。
内覧会をしなくても患者さんは来る
まず知っておいていただきたいのは、内覧会をせずとも開業初期から患者さんが来てくださっている医院さんが、現実に存在するということです。
しかも、僕が見てきた中でも複数あります。決して珍しいケースではありません。
そういった医院さんに共通しているのは、内覧会をしない代わりに、オフラインでの認知活動をしっかりされているということです。
特に効果が高いのが、手配りのチラシと、地元のイベントへのブース出展です。
チラシは一度配って終わりではありません。何度も配るのがミソです。
一度見ただけでは記憶に残らなくても、何度も目にすることで「あ、この辺に歯医者さんができるんだな」と自然に認識してもらえます。
人は同じ情報に繰り返し触れることで、安心感や親近感を持つようになるものです。
チラシも同じで、一度きりではなく、時期を分けて複数回配ることで効果が積み上がっていきます。
地元のイベントへのブース出展も同様です。
この時期だと、夏祭りとかですかね。
院長先生ご自身が顔を出して、地域の住民の方々と直接お話しすることで、「どんな人がこの医院を開くのか」が伝わります。
パンフレットや看板だけでは伝わらない人柄の部分は、やはり直接会って話すことに勝る手段はありません。
地域のお祭りや商店会のイベントなど、小さな機会であっても積み重ねることで認知は広がっていきます。
要は、歯科医院が開業するという情報と、院長さんの人柄を知ってもらえればいいのです。
この2つさえ伝われば、内覧会という形式にこだわる必要はありません。
そう考えると、内覧会だけが認知獲得の手段ではないことが分かります。
予算や準備の負担を考えたときに、内覧会以外の選択肢があることを知っておくのは、開業準備を進めるうえで大きな安心材料になるはずです。
内覧会は、準備に手間もお金もかかります。
内覧会の業者さんと何度か打ち合わせをして、スタッフの動線を決め、当日の運営まで含めると、開業前の忙しい時期にかなりの時間を取られます。
それだけの労力をかけるべきかどうかは、一度立ち止まって考えてみる価値があります。
特に、最初はスロースタートで良いという事業計画だったり、小規模医院をやっていきたいと考えていたりする先生は、内覧会というイベントで広い認知を獲得する必要はないでしょう。
内覧会をやるならコンセプトとのズレに注意
もちろん、内覧会をすること自体は全然OKです。
ただし、内覧会をやると決めたなら、気をつけていただきたいことが一つあります。
それは、医院のコンセプトと乖離した内覧会にしないことです。
たとえば、院長先生が真面目で落ち着いた雰囲気の方なのに、風船を配ったり、子供向けのプレゼントを大量に用意したりして人数を集めようとするのは、あまり得策ではありません。
もしその内覧会でたくさんの人数を集められて、初診の予約が取れたとしても、集まるのは「医院のコンセプトを理解していない人たち」です。
その場のイベントとしては盛り上がったとしても、長期的な売上には繋がりにくいのです。
むしろ、コンセプトに合わない患者さんが最初に集まってしまうと、後々のミスマッチや口コミの質にも影響してきます。
少し想像してみてください。
Appleが日本のアイドルを広告塔にしてCMを流していたら、なんだか違和感がありませんか。
洗練されたブランドイメージと、起用するタレントの雰囲気が合っていないと、見ている側は「あれ?」と感じるはずです。
ブランドが積み上げてきた世界観と、目の前の演出が食い違っていると、それだけで信頼感が揺らいでしまいます。
内覧会も同じです。
内装もホームページもチラシも、院長先生のコンセプトにしっかり合っているのに、内覧会だけがなんとなくズレている。これはとても勿体無いことです。
せっかく一貫性を持たせて作り上げてきたブランドイメージが、内覧会という一つのイベントで崩れてしまうのは避けたいところです。
実際、患者さんから「あ、こういうのが好きな院長さんだったのね、、、」と敬遠されたケースを知っています。
別にその患者さんが院長さんのことを正しく知ったうえでの判断ならいいんですよ。
でも誤解を与える演出で敬遠されるのは勿体無いじゃないですか。
しかもそこから派生する口コミによるダメージを考えたら相当な影響になるはずです。
内覧会業者さんの提案を鵜呑みにしない
そもそも内覧会業者さんは、集客のプロとして「人数を集めること」を目的に提案してきます。
それ自体は業者さんの仕事なので、間違ってはいません。数字として結果を出すことが求められる立場ですから、当然のことです。
ただ、その提案が院長先生の診療方針とマッチしているかどうかは、別の話です。
業者さんの提案をそのまま受け入れる前に、一度自問自答してみてください。
「この内覧会の内容は、自分が本当に来てほしい患者さんに響くだろうか」、と。
もしズレを感じるなら、内容を見直す価値があります。
演出や特典に頼らなくても、院長さんや医院が大切にしていることを伝えた上で好きになってくれる内覧会にする方が、開業後の経営にとってはプラスになります。
もちろん、業者さんが提案してくる内容には、集客のノウハウが詰まっていることも事実です。
すべてを否定する必要はありません。ただ、パッケージ化された提案をそのまま採用するのではなく、院長先生ご自身の言葉で「うちの医院らしさ」を足していく作業が欠かせないと思います。
長期的な費用対効果を高めよう
コンセプトとズレた内覧会に費用をかけるのであれば、正直、お金の使い所は間違っているかと思います。
同じ予算をかけるなら、コンセプトに沿った他の認知活動に回した方が、長期的には効果が出やすいケースも多いのです。
開業資金は限られています。
だからこそ、何にお金をかけるかの優先順位は慎重に決めていただきたいと思います。内覧会に大きな予算を割くのであれば、その分だけ他に回せる予算が減るということも、忘れずに考えておいてください。
問題は内覧会をやるか、やらないかではありません。
その二択で悩むよりも、「自分の医院にとって、何が本当に効果的な認知活動なのか」を軸に考えていただくのが一番だと思います。
極論ですが、院長先生の人柄やコンセプトが伝わる方法であれば、それが内覧会であっても、チラシやブース出展であっても、極論をいえばなんでも構わないのですから。
せっかく院長先生のこだわりがいっぱい詰まった歯科医院です。
こだわりを狭く深く知ってもらうために、お金ではなく、伝え方に魂を宿しましょう。


