こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。
歯科医院の開業準備は、優先事項を間違うと開業後に後悔します。
今からお話しする内容は何も想像で話すわけではありません。
実際、歯科医師さんの開業に携わったり身近な人の開業をそばで見たりして、これから開業する人に確実に伝えたほうがいいと思ったことを記事化していきます。
開業準備は滞りなく進んでいるように見えて、見逃しがちなことがあるんですよね。
しかもそれが開業後の医院経営に与える影響もまあまあありまして。
今後の時流的にも避けられないテーマに触れていきますので、ぜひ最後まで読んでいただければ嬉しいです。
やらなくて良いけどやるべきこと
歯科医院の開業にあたってやるべきことはたくさんあります。
物件選定、事業計画書の策定、銀行交渉、機材選定、許認可などなど。
今列挙した項目の共通点はというと、やらないと開業できないという点です。
実はこれらについては、意識的に優先順位を高くする必要はありません。
理由は単純で、開業のために純粋にやるべきことであり、必須条件だからです。
なので否が応でも強制的に進められます。
開業日を何月何日だと決めているのに、お金もなければテナントも機材もないってことはありえないじゃないですか。
”苦手”だとか、”初めての経験”だとか言い訳して逃げることはないですよね。
問題はやらなくても良いけどやるべきこと、にどれだけ真剣に取り組めるかです。
有名な「7つの習慣」の第二領域的(緊急性はないけど重要なこと)と同じ類のものだと思っていただければと。
要は、それをやらなくても開業できないわけではないけど、やっておかないとのちのち後悔すること、ですね。
最優先課題は人を集める仕組みづくり
この記事の答えを言ってしまうと、歯科開業前に最優先すべきなのはマーケティングです。
マーケティングとは人を集める仕組みづくり、をいいます。
もっと身近な言葉で表現すると集患と採用ですね。
なぜ最優先すべきかというと、マーケティングは多少手を抜いても歯科開業ができてしまうという落とし穴があるからです。
集患できなくても開業日は迎えられます。
採用も満足にできなくてもユニットを余らせながら開業日を迎えられます。
ですよね。
でも怖いのはここからで。
開業自体は多額の借金を負ってできたにも関わらず、満足いく集患ができない、もしくは生産性を最大化できる人員が足りないというのは、その後の医院経営において致命傷になります。
当然といえば当然なのですが。
こんなに開業にお金がかかるのに、事業計画書をある程度ちゃんと書けば無理難題な計画ではない限り融資は通ります。
高価な医療機材も買えます(買えるというか勧められるというかなんというか)。
にも関わらず、投資回収の長期的な戦略が曖昧なままスタートしてしまうから問題が起きるんです。
言うまでもなく、この問題は資金繰りです。
経営者である以上お金の問題に悩まない日はありませんが、開業後事態が深刻になっていくのは嫌じゃないですか。
そんな事態を未然に防ぐためにも集患や採用といった、人を集める仕組みを作るマーケティング活動が必須になってくるわけです。
開業後の準備ができるのは開業前だけ
開業前が大事な時期である理由
ここ最近、開業する方をそばでみて実感するのは、開業後は忙しくなるという当たり前の事実です。
もっというと、開業日数ヶ月前からはバタバタし始める印象があります。
第二領域(緊急性はないけど重要なこと)の活動が少なくなり、第一領域(緊急性があり重要なこと)にリソースを割かなければいけない状況になるというのが、結構はっきり伝わってきます。
工事のトラブルだったり、書類的な手続きが大詰めを迎えたり、そういった予測不能なことに対処することが多くなってくるんです(側から見ていてそう)。
そうなると第二領域のマーケティング活動は中途半端になっていきます。
SNSをはじめ情報発信の量が少なくなったり、雑になったりする人がほとんどです。
で、また開業日前後で慌てて再開するも時すでに遅し状態に。
こんな事態を避けるためには、開業前の比較的ゆとりがある時期にマーケティングに手をつけはじめておく必要があります。
理想は開業日までファンと期待を貯め込んで、開業日にブワッと放出するイメージです(伝わりますかね)。
これができている医院さんは軌道に乗るまでの初速が違います。
開業後にぶち当たる壁
歯科医院の経営課題はお金(資金繰り)、マーケティング(人を集めること)、マネジメント(組織を作ること)の3つです。
同じようなことはどこかの書籍やサイトにも載っているかと思いますが、これは僕の実感としてもその通りで。
このうちマネジメントに関しては専門外なので何もいえませんが、特にマーケティング(人を集めること)に関しては集患と採用なので、医院運営の継続に大きく影響してきます。
集患に関しては、大都市圏ではない限り患者数に困っている医院さんはほとんど見かけません。
基本的に歯科医師不足、歯科医院不足ですからね。
ただ患者数がいたら資金繰りに問題ないかと言われると、そうではないのが現実です。
人件費や材料費、設備機器の高騰で、数を診れば採算が取れる時代ではなくなってきています。
そうすると自費の患者さんを増やしたり、再来院率を高めたり、物販の購入率を高めたり、そういった健康意識の高い患者さんにどうアプローチするかという戦略が必要になってきます。
言い方はあれですが、量ではなく質を追求するということですね。
健康、特に歯への意識やリテラシーが高い人を集めるには、漏れなくマーケティング力が必須です。
採用に関しては、日本の人口動態的に今後厳しくなるのは目に見えているかと。
開業当初は物珍しさもあって、開業祝儀的に人が集まりやすいですが、今後数十年人材不足の問題と向き合っていかないといけないわけです。
開業して借入の返済が完了するのは15年後ですか?20年後ですか?
それまで返済原資になる利益は出し続けないといけないわけですよね。
この先労働人口が増える見込みのない時代に。
勤務医さんや歯科衛生士さん不足でユニットが一つ止まったら、毎年どれだけ利益が減るんですか。
早めに認知とブランディングを完了させて、働かせてくださいと言われる状態を作っておかないと後々大変なことになると思っているのは僕だけですかね。
開業前から始めるマーケティング
ということで、開業する決意が固まったらなるべく早くマーケティング活動をはじめてください。
いちばん最初に取り掛かってもいいくらいです。
というのも、先ほども言いましたが、他のやらなきゃ開業できないことは強制的に進むからです。
後回しにしがちなマーケティングから先に手をつけはじめてしまいましょう。
とはいえ、勤務医の段階から広告を打てるわけではないと思うので、まずは匿名での情報発信で大丈夫です。
2025年9月現在、特におすすめするのはこの3つ。
- Threads
- note
Threadsは純粋に拡散力があり、陽の雰囲気が漂うSNSなので医療者向けです。
(Xはネガティブで陰湿な雰囲気があるのであまりおすすめしません。)
Instagramでは画像や動画で人柄を発信してください。
顔出しできないかもしれませんが、開業に向けた準備記録を残しておくと、ワクワク感を伝えることができます(患者さんにとってはあまり行きたくない場所だからこそ効果絶大です)。
ThreadsとInstagramの使い分けの細かい点についてはこちらも参考にいただければと。

noteは完全にブログの代替です。
ブログは一般的に公式サイトに埋め込まれることが多いですが、公式サイトが出来上がるのは開業直前(早くても数ヶ月前)だと思いますので、noteを立ち上げ、テキストコンテンツを積み重ねていってください。
テキストコンテンツにこだわる理由はAI対策もあります。
せっかく書くからには、今後も継続して読まれるコンテンツを残していきましょう。
初期投資が大きい分、歯科医院経営は長期戦ですので(言わなくてもお分かりかと思いますが)。
AIとマーケティングとの関連性についてはこの記事で解説しているのでぜひ一緒に読んでみてくださいね。

と、ここまで僕が外部専門家として開業歯科医師さんと関わるなかで伝えたい話をまとめてきました。
ただ、実際にどんな裏側があるのか、や、どんなことに苦労したのかは実際に開業歯科医師さんに聞いてみるのがもっとも正確かと思います。
この記事を読んでマーケティングに積極的に取り組んでいきたい、でも先輩の背中も追えるとやりやすいという方は、ぜひ僕が運営しているオンラインサロン、歯科マーケティング部に来てください。
あなたの先を一歩も二歩も進みつつ、的確なフィードバックをくださる方が在籍くださっているので。


