こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。
「こういう医院をやりたい」と話すと、銀行の担当者の表情がイマイチ。融資が通らない。
ユニット1〜2台の超ミニマム経営。自由診療が中心。世の中にまだ浸透していない医療アプローチ。若いうちから開業したい。――そんな構想を持つ先生ほど、この経験に心当たりがあるのではないでしょうか。
これまで全国の歯科医院の開業支援に携わってきました。
ありがたいことに、お客様と銀行のご協力のおかげでご希望どおりの融資を実現できています。
その一方で、はっきりと見えてきたことがあります。
「普通じゃない」「収益性が読めない」「実績・信用が足りない」という理由で融資を断られ、開業そのものを諦めてしまう先生が、決して少なくないという事実です。
医療不足なのに開業できないという矛盾
ご存じのとおり、一部の大都市圏を除けば、歯科医療はむしろ供給力が不足しています。
「歯医者はコンビニより多い」という安易な比喩とは裏腹に、地域によっては新しい医院が求められているのです。
にもかかわらず、志のある先生が開業できない。
この矛盾の正体は、多くの場合「診療の中身」ではありません。
銀行が『貸したい』と思える情報を、数字の面と感性の面の両方から、きちんと伝えられているかどうか。
ここに大きな差が出ているのです。
前例のある一般的な保険診療中心の医院であれば、銀行にも比較材料があります。過去の融資実績、似た事業計画、標準的な収益モデル。だから審査が通りやすいのです。
逆に言えば、前例がない医院は「比較できない」がゆえに評価されにくい。
決して事業として劣っているわけではないのに、テンプレートに当てはまらないという一点で入り口を閉ざされてしまっています。
銀行が本当に知りたいのは、たった一つ
では、どうすればいいのか。
突き詰めると、銀行が知りたいことは実はシンプルです。
「こちらの院長先生は、返済できる利益をつくれるか」、この一点に尽きます。
これは抽象論ではありません。
実際に開業支援をしていると、銀行の支店長から、税理士である僕に対してこう尋ねられることがあります。
「島田さんの目から見て、この院長先生の医院は流行ると思いますか」「この医院の特徴や強みは何ですか」と。
この質問には、銀行の本音がはっきり表れています。
彼らが欲しいのは、院長先生自身の「うちの医院は流行ります」という絶対評価ではありません。他の医院と比較して、この医院はどうなのかという相対評価なのです。
考えてみれば当然のことです。
銀行が気にしているのは、主観的な意気込みではなく、「相対的・客観的に見て返済能力はあるか」「財務状態で苦しむことはないか」です。
だからこそ、一般的な歯科医院と比べて財務的な心配が少ないと言える根拠や強みを、客観的な目線で説明してあげる必要があります。
そしてもう一つ見落とせないのが、銀行は院長先生本人の言葉だけでなく、第三者の見立てを聞きたがるという事実です。
院長さんが一人で「流行ります」と語るより、数字を扱う専門家が相対評価とともに「この医院の財務的な安定性の根拠はこう考える」と語るほうが、銀行ははるかに安心します。
こうした意識で銀行を安心させることができれば、ご希望どおりの融資につながっていきます。
例えば「規模が小さい」は、弱みではなく強みになる
では、その「相対的・客観的な根拠」とは具体的にどんなものか。
一つ例を挙げます。
銀行だけでなく世間一般でも、「規模が大きい医院ほど収益性が高い」と思い込まれがちです。ユニットの台数が多く、スタッフも大勢いる大型医院のほうが儲かっている、というイメージですね。
ところが、実際はそうとは限りません。
ドクター一人、歯科衛生士一人といった少人数の医院のほうが、利益率も、そして手元に残る利益の絶対額も大きいというケースは、決して珍しくないのです。
なぜそうなるのか。
実のところ、これを一言で説明できるほど単純な話ではありません。
ただ確かに言えるのは、少人数制ならではの売上構造と院長さんの家計を含めたコスト構造のバランスのなかで、効率的に利益が生み出されているということです。
規模を追えば売上は伸びるかもしれませんが、それが必ずしも手元に残る利益の大きさに直結するわけではありません。
現場の数字を見ていると、この事実に何度も出会います。
これは、ユニット1〜2台・雇用なしのミニマム経営を目指す先生にとって、大きな意味を持ちます。
「規模が小さいこと」は、銀行に対する弱みではありません。
むしろ、財務的な安定性という点でしっかりとした強みになり得るのです。
問題は、その強みを銀行が理解できる言葉と数字で伝えられるかどうかにかかっています。
だから銀行の不安に「本気で」応えることにしました
ここまでを振り返ると、銀行の最大の関心は一貫して一つです。
「こちらの院長先生は、返済できる利益をつくれるか」
ならば、その不安に本気で応えましょう。
つまり、「きっと集患できます」と曖昧な根拠で言うのではなく、患者さんに伝わる医院のコンセプト、名称、デザインを、銀行との交渉が始まる初期の段階から作り込んでしまうのです。
「この医院は誰に、何を、どう届けるのか」がかたちとして目の前にあれば、銀行は「なるほど、これなら患者さんが集まりそうだ」と具体的にイメージできます。
集患力という、いちばん評価しにくい部分を、感性の面から見えるようにしてしまうわけです。
とはいえ、これは税理士である僕一人にできることではありません。
そこで、ブランディングの専門家であるタイヨシフミさん(@omoshirotanoshism)とユニットを組みました。
タイさんとは、すでに実際の歯科開業支援で一緒に動いています。
役割はこう分かれています。
患者さんに伝わるブランディング――コンセプト、名称、デザイン――を練り上げ、「患者さんが来たい医院」の姿を最初から明確にしていく。これがタイさんの領域です。
そして、そのブランディングに裏打ちされた事業計画に、税理士である僕が業界の情勢や資金計画の観点から論理的な根拠を肉づけしていく。感性で描いたビジョンを、数字の言語へ翻訳する役割です。
感性の面と数字の面。この二つを最初から揃えて銀行に届けることが、前例のない開業を実現するための我々の答えです。
開業だけでなく承継や経営改善にも
こうした「難易度が高い」開業支援に特化したサービスを改めて形にしました。
その名も「UNIQUE DENTAL PRODUCE(ユニークデンタルプロデュース)」、略してユニプロです。
そしてこのサービスは、これから開業する先生だけが対象ではありません。
親御さんから承継した医院をリニューアルしたい後継者の先生。あるいは、既存の医院を立て直したい先生。「今のままではないかたちに変えたい」という想いを持つ方すべてが対象です。
ありきたりな歯科医院をつくりたくない――そう思ったことのある先生に、届いてほしいと思っています。サービスの詳しい内容は、公式サイトにまとめています。少しでも心が動いた先生は、ぜひ一度のぞいてみてください。


