【note】税理士のアタマの中

税理士との面談を報告会で終わらせないために

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こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。

税理士との面談で何を話したらいいか分からない。
聞きたいことがあるけど聞いていいか分からない。


そんな声をちらほら聞きます。

いや、気持ちはわかります。

僕も逆のお客さんの立場になると同じ気持ちになるので。

右手が痛くて病院に行ったけど、実は左手も少しだけ痛くて、でも左手のことは言い出せない、みたいな。

先生も忙しそうだし、たぶん右手と同じように注意していれば治るだろう、ということで左手の話を引っ込めてしまうんですよね。

やっぱり患者(客)として専門家と話すときは、当然ですが知識面で専門家と同じ土俵に上がれないので、「こんなこと聞いていいんかな」という感情になります。

少し話は逸れてしまいましたが、これと同じ現象が税理士とお客さんとの面談に起きているのではないかと思います。

知りたいことを相談しようにも、「経営者なら分かっていて当然」と思われたらどうしようというプライドにも似た不安もあるはずです(そんな心配をする必要はないんですけれども)。

でも実は、税理士との面談は不完全燃焼で終わるのがいちばん損をします。

目次

中途半端な面談の罠

先ほどの例え話の続きですが、左手の痛みをお医者さんに伝えられなかった人(僕も含め)は、全員とは言いませんがある程度高い確率でそのあと後悔します。

というのも、やっぱり左手の痛みが気になるからです。

「あの時言っておけばよかったのに」と。

で、右手と同じ状態だったらまだ良いのですが、怖いのはその痛みに緊急性があったり、右手と異なる対応が必要だったりすることです。

これを税理士との面談に置き換えると、今後予定している動きを「まだ先の話だし」と共有するのを先延ばしにしていると、節税や資金繰りの判断が間に合わないという事態があり得てしまいます

じゃあそれを防ぐためにどんな話をすればいいのか、ということは次の章で話すとして。

話したいことを気後れせずに聞ける関係性を作ることが、顧問税理士をフル活用できる秘訣だということです。

おそらくこのブログを見てくださっているであろう歯科関係者の方も、問診で患者さんから要望や状況を引き出せなかったり不安に思うはずで、それと同じだと思っていただければ。

関係性やコミュニケーションがないまま治療だけ進めてしまって、のちのちトラブルになるのは避けたい、というのはよく聞く話ですよね。

税理士と話すべきこと

過去より、現在と未来

一般的に税理士の主な仕事は会計(帳簿)のチェックです。

記帳代行をしていれば請求書の提出依頼や、入金内容の確認などもあるでしょう。

これらの業務の特徴は過去の事象の確認だということです。

その月の売上も、その月の経費も、すでに取引や行動は完結しているので、事実は変えようがないんですね。

(意識高い系ワードになってしまいますが)変えられるのは未来だけ、なんです。

まあ過去に起こったことも、決算・申告時まで対応すれば間に合うこともあります。
申告時に選択できる節税策もないことはないので。

でも税務の選択はその期が始まる前に選択しておかないと手遅れになる制度が多いのも事実です。

消費税の計算方法の選択が良い例で。

あとは資金繰りの観点からも未来の話、いわば計画の共有が肝になります。

資金調達が必要なら融資が良いのか、補助金や助成金を探す必要があるのか。
融資なら最低いくらの融資を申し込めばいいのか。
金融機関からの評価を高めるためにどう決算対策をしていくか。


融資は審査に時間がかかる上に、希望額どおりに審査が通るとは限りません。

それに備える意味でも計画の共有はマストだと思っていただければと。

長くなりましたが、計画は

  • 設備投資や増床の計画
  • 老朽化が進んだ設備の買い替え計画
  • 賞与の支給や給与ベースアップの見直し計画
  • 人材採用の計画
  • 自費と保険売上の割合が変わるような計画
  • 経営者本人の働き方の変更計画
  • 新規事業の計画

といったところでしょうか。

ぜひ税理士にこういった計画を引き出してもらってください。

一見税務とは関係ないことも

もっというと、一見税務とは関係なさそうな世間話も税理士と話せるとなお顧問の旨みを引き出すことができます。

というのも、個人事業主は特に(法人でも経営者の所得税申告書も含めて)家族や財産の状況を顧問税理士に開示しているケースが多く、税理士側が経営者の身の上で起こったことに対してアンテナを立てやすいからです。

株を買った、車を買ったというお金が動くようなイベントはもちろん、子供が大学に入学する、身内に不幸があったといった家庭事情も共有できるとベストです(高齢になれば身体の不調も)。

これは何も節税だけの問題ではなく。

たとえばもし子供が私立の歯学部や医学部に入学するとなると、それなりのお金が必要になりますよね。

その分生活費が増えるわけですが、その出所はどこかというと、事業の利益になります。

とすると、必要利益も増えるので、現状の損益でキャッシュフローが回らなければ、自力で売上を増やす努力をしないといけません。

(生活費のために事業用の融資を借りることは基本できないので。)

売上=人数×単価×リコール率なので、この3つの要素のどれか、若しくは全部を実行可能性と照らし合わせながら改善していく必要があるということですね。

さらに理想的なのは、実際にイベントが発生する前から、税理士にその見通しを伝えておけるとベターです。

プライベートで大きなお金が必要になるとはいえ、すぐに利益改善できるわけではないので、それ込みで将来の事業計画を立て実行していくことが資金繰りの安定につながります。

税理士の関わりの深度は自由

と、ここまで税理士と深く関わることを推奨する文章を買いてきましたが、税理士へのニーズは様々ありますよね。

税金の計算だけしてくれればいい、というニーズもあっていいと思いますし。

できれば面談なんか要らない、という経営者の方もいらっしゃるでしょう。

そのニーズに応える形で、世の中の税理士の関わり方は各々違うので、最適な税理士を見つけていただければと。

ただいずれにしろ、要望や不満があるなら、それを伝えないと税理士側も把握できません。

なので「これからこういう話もしていきたいんだけど、どうですかね?」「こういう資料をくれませんかね?」「面談の頻度や回数を変更できませんかね?」と一言声をかけてみる価値はじゅうぶんあると思います。

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