こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。
今回はLINEで配信した内容を補足する記事を書いていきます。
どうしてもLINEだと1回に送信することができる文字数に限界があるからです。
テーマは税金とは関係がないのですが、開業準備を進めていく上で、僕自身が税金と同じくらい大切だと思っていることを書いていきます。
それは「取引関係者との向き合い方」です。
「取引関係者」というのは僕が勝手につけた名称なのですが、歯科開業に関わるすべての人たちを指しています。
金融機関の担当者、内装業者、設計士、ディーラー、メーカー、社会保険労務士、税理士などなど。
開業という一つのプロジェクトをそれぞれの専門分野からサポートする人間とどういう関係性を築いていくか。
表現は大袈裟かもしれませんが、これはその後経営を左右すると思うのです。
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開業準備の歩調を乱す人
「忙しい」はウソ?
歯科開業には開業日というゴールがあります。
内装工事が遅れれば保健所への届出日程がずれます。融資の実行が遅れれば機器の発注ができません。採用が間に合わなければ開業日に人が足りません。
全てが繋がっています。
だからこそ取引関係者とは密に連携を取る。レスポンスは速く、決めるべきことは早く決める。でも入念なリサーチと判断材料の洗い出しは手を抜かない。
それがプロジェクトを前に進める方法です。
そんな環境の中で、歩調が遅い人がいたらどう感じますか?
「忙しくて……」とひと言。
僕も完璧にお客さんが期待するレスポンスに応えられている自信はないので、気持ちはわかります。
でも「忙しい」を理由には使いませんし、そこら辺の同業よりかなり上位でレスポンスしている自負はあります。
「忙しい」というのは便利な言葉ですが、本音ではない部分があると考えています。
問題は優先順位
みんな忙しいんですよ。
開業予定の歯科医師さんはもちろん、取引関係者もそれぞれが複数の案件を抱えながら、仕事と生活を回しています。
誰かのために生きている限り、忙しくない人なんていないんです。
では仕事ができる人とそうでない人とは何が違うのか。
優先順位の違いだと思っています。
この案件を大切にしたい、このプロジェクトは面白そう、そう思えれば、多少家族や趣味の時間を削ってでも動きます。
診療後の夜間帯でも休日でも。
逆に言えば、周囲の人間からみて歩調が遅いと感じる人は、その仕事への優先順位が相対的に低いということを意味します。
開業予定者自身の優先順位も問われている
この話は逆パターンでも当てはまります。
取引関係者のほうから「打ち合わせをしましょう」「ここを早めに決めてください」と打診しているのに、開業予定者がなかなか動かないケースです。
日程の返信が3日後、候補日が2週間先、質問への回答が曖昧……。
こうなると何が起きるか。
まず選択肢が狭まります。仕様変更ができなくなる、機器の納期に間に合わなくなる、融資や補助金の好条件を逃す。
そして、取引関係者のほうが温度感が高い状態が続くと、そのうち相手は「足元を見る」ようになります。
交渉力が落ち、融通が効かない、逆に無理なスケジュールを押し付けられる。
僕の経験上、開業時の交渉で失敗している先生の多くは、このパターンが当てはまります。
開業する張本人の開業に対する優先順位(ここでは熱量も含みます)が低いまま取引関係者に動いてもらおうとしても、なかなかプロジェクトは軌道に乗りません。
お互いの時間を守る3つの実践
取引関係者と良い関係を築くためには、開業予定の先生側からも働きかけることが大切です。
取引関係者の優先順位を上げてもらい、お互いの歩調を合わせるためにできることがないか探してみましょう。
僕自身が事業者として普段から意識していることを3つ挙げます。
① お金を払う
開業準備の段階では、意外とお金を払っていないケースが多いです。
金融機関やディーラーさん、メーカーさんは契約成立前にお金が発生しないのが通常です。
いっぽうで士業やコンサルタントの中には、契約前の相談段階から有料で動けるメニューを持っている人もいます。
(いきなり「税理士に金を払え」と解釈されてしまうのは重々承知の上で、敢えてお伝えします。)
そういった有料メニューがあるなら、積極的に使ってみてほしいのです。
もちろん、法外な値段だったり、何をするのか(何をやってくれるのか)が曖昧だったりするメニューは避けたほうがいいでしょう。
でもお金を払うことで相手の優先順位が上がります。これはビジネスの真理です。
実は僕自身も、独立開業する前に先人達から教えを乞うためにたくさんを金を使いました。
そしていまは、顧問契約前から有料で開業サポートをしています。
理由は単純で、開業前は開業後と同等かそれ以上に人脈を使うし、情報収集するし、法令等のリサーチもするからです。
極論になってしまいますが、無料相談と有料相談では、こちらの準備の深さも、向き合い方も変わります。
これはどの専門家でも同じだと思います。
手付金や着手金など、早い段階でお金が発生する仕組みを用意している業者さんや専門家がいても、最初から候補から外すことはしないほうがいいというのが自論です。
② 契約前に「担当者」とすり合わせる
これは盲点になりやすいポイントです。
契約交渉の段階ではテキパキと動いてくれた担当者が、契約後には別の人に変わっていた、というケースがあります。
いちばん多いのは営業担当と実務担当が分かれているケースですね。
営業担当と相性が良くても、実際に動いてくれるのは別の人だとトラブルが起きることがあります。
契約前に確認しておきたいのは、「契約後も今の担当者が継続して動いてくれるのか」「今のコミュニケーションのスピードと質は今後どのように担保していけるのか」という点です。
これを事前にすり合わせておくことが、結果としてお互いの時間を守ることにつながります。
「提案のときは良かったから大丈夫だろう」と思っていたら、担当者が変わってから連絡が取りづらくなった、は結構なストレスだと聞きます。
③ 出された宿題や依頼に手を抜かない
これは信頼関係の根幹に直結する話です。
取引関係者からは「〇日までにこれを決めておいてください」「この資料を準備しておいてください」というリクエストが頻繁に発生します。
これに対してきっちり対応できているかどうかが、相手の動き方を変えます。
人間同士なので、真剣さは伝わります。
宿題を期限通りに出してくれる先生と、毎回遅れる先生では、取引関係者の対応も変わってくるのが現実です。
サービスの質はどんなお客さんに対しても一定であるべき論はありますが、取引関係者がオーダーメイドで動く歯科開業の場面においては当てはまりません。
取引関係者に優先順位を上げてもらうために必要なのは、つきつめると「信頼関係」です。
そしてその信頼関係を着実に築くには、お互いが仕事をきっちりやること。それ以上でも以下でもないと思います。
レスポンスを速くする、期限を守る、決めるべきことを先延ばしにしない。
地味ですが、これを積み重ねていくことが、開業プロジェクトを加速させる一番の方法です。
開業予定の院長先生に必要な力
ここまで記事を書いてみて思ったのですが、結局予定通りに歯科開業が進むかどうかは、各々の責任感に依存します。
まあ責任感が重いほど対応への優先順位は高くなる、というロジックは通るので、ここまで話してきたことと表現が違うだけなのかもしれませんが。
そういう意味で、税理士である僕もいつも身が引き締まる想いで関与しています。
というのも自分以外の関係者がみなさん優秀だからです。
「あいつだけ乗り遅れている」と思われたら一巻の終わりですし、むしろ税理士はお金を扱うので全体を俯瞰してみていなければならないポジションでもあります。
でも院長となる開業予定者の方は俯瞰する力に加えて、先導する力が必要だなと思って見ています。
人を集める力とでもいいますか。
ワンピースの麦わらのルフィじゃないですけれども、院長さんはどこかそんな求心力がある方ばかりですし、開業前から求心力を求められるポジションでもあります。
開業前から「チーム」を作っている先生の開業準備はスムーズです。
PS:今回の記事はお金とは関係ないテーマでしたが、普段は歯科経営の資金繰りや融資、節税にかかわる記事を書いているので、ぜひトップページに戻って他の記事も読んでみてくださいね。

