【note】フリーランスのお金と暮らしの話

【税理士選びのポイント】がーどまん氏を反面教師に

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こんにちは、島田(@mshimada_tax)です。

SNSで話題になっているYouTuberがーどまん氏の税金トラブルの問題。
ヤフーニュースにもなっていましたね。

まだ事の真実は明らかになっていないものの、がーどまん氏から顧問税理士との会話の録音が暴露され、顧問税理士のいい加減な対応も問題視されています。


今回のお伝えしたいのは、税務的な見解ではなく、税理士を選ぶときのポイントです。

がーどまん氏の経緯説明を聞く限り、問題視されている会計事務所は所属する事務所の社長の紹介とのこと。

まあ、YouTuberに限らず、一般の方々に税理士の知り合いがいることはほとんどないと思います。

なので、税理士を探そうと思ったら、誰かに紹介してもらったり、ネットで近くの税理士を探したりするでしょう。

おそらく、がーどまん氏も信頼できる社長からの紹介だったので、特に疑うことはしなかったという部分もあるかと思います。


私が問題視しているのは、多くの方が税理士をネットや紹介で簡単に決めてしまっている、ということです

みなさんは、税理士をどういう基準で選んでいるでしょうか。

専門性、価格、地域(立地)、紹介、実績など、要素は様々あると思いますが、税理士に依頼する業務の特徴をしっかりと理解した上で選ばなければいけません。

というのも、同じ税理士という国家資格を持っているなら誰でも能力は変わらない、と思ってしまうかもしれませんが、そうではないからです。

例えていうなら医者と同じです。

同じ医師免許を持っていても、内科、外科、皮膚科などの専門性やもちろん、人間性が違うので、できることや品質や相性は千差万別ですよね。

だからこそ、医者に診てもらおうとするときには入念に調べるはずです。

話を戻しまして、今回の件は当事者が有名人だったので、たまたまニュースになりましたが、巷ではニュースにならない税金トラブルが多発しています。

一般の方が税金トラブルを避けるためにも、税理士を選ぶときにこういう視点は外さないでいただきたい、ということをお話ししていきます。

目次

税理士との付き合いとは

税理士は、ビジネスやプライベートで起こる取引を税法のルールに当てはめ、適切な申告と納税を支援するのが仕事です。

ですので、大前提として、相談者のビジネスモデルや家族構成、保有資産を把握しておかなければいけません。

裏を返せば、少なくともお金まわりのことは税理士に共有される、ということです。

そうでないと、嘘の申告をしてしまうことになるので。

そして、基本的に税理士とは長い期間付き合うことになります。

スポット的な相談は別ですが、決算や確定申告に関わるのであれば年単位で関与していないと、やはり品質は落ちてしまいます。

今回のケースのように、税務調査が入れば、何年も前の申告内容が正しかったかどうかを掘り出されることになりるので、その期間中関与している税理士がそばにいたほうが良いのは言うまでもなく。


なので、保有している資産やお金やビジネスモデルを共有し長い期間付きあっていくことを踏まえると、彼氏や彼女や結婚相手がプライベートのパートナーであれば、税理士はビジネスパートナーといえます。

もっとも、相続や不動産の譲渡など、プライベートで起こる取引のサポートもしますので、そういう場合はビジネス兼プライベートもちょっと踏み込むパートナーと言っても過言ではないでしょう。

税理士を選ぶポイント

私も税理士ですが、自分の専門分野以外の税務に関しては他の税理士に依頼します。

というのも、税務の世界も餅は餅屋で、自分がお客様の悩みに対して最適な解を提供することができなければ他人に頼るのが正解だと思っているからです。

で、私は税理士に限らず、その道の専門家にお願いするときに、2つの選ぶ基準で判断しています。

その基準とは、「専門性」と「個性」です。

ここからその理由をお話ししていますね。

専門性をみる

専門家に求める専門性とは、「自分の困りごとを解決してくれる解決策や能力を持っているか」です。

で、これはHPなどをみれば、一般の方向けにその専門性を持っていますよ、ということがわかるように書かれています。

そうでないとHPに書く意味がないので。

税理士であれば、

・相続に強い
・不動産に強い
・国際取引に強い
・個人に強い
・税務調査に強い
・ITに強い
・経営コンサルに強い
・融資に強い

などなど、を強みや専門として打ち出している方をみかけます。

専門性からどの専門家に頼んだほうがいいかという大方の見当はつきますし、実績をみればある程度は信頼できるはずです。

このように、専門性やそれに関わる実績からどの税理士を選ぶかを判断することは重要です。


ただし、実際のところ、その専門性が自分の困りごとを解決するために本当に必要で、かつ書かれている情報が正確ななのか、というのは一般の方では判断できません

たとえば、相続に強い、という税理士がいても、相続があったときの税法のルールを税理士と同じレベルで把握できていない限り、なぜ相続に強いといえるのかという客観的な判断はできないはずです。


また、先ほどをお伝えしたとおり、税理士には資産もお金もプライベートもさらけ出し、長い付き合いをしていくことになるので、専門性だけで判断すると、税理士との関係性が円滑に続かない可能性が出てきます。

腕は良いけど性格は最悪な人間に自分の情報を伝えたくないじゃないですか。

だからこそ専門性だけではなく、税理士と関係性を続けていくための個性を見極める必要があります。

念のためお伝えしておきますが、決して専門性や実績を基準に判断することが間違っている、というつもりはありません。

どちらも大切だということです。

個性をみる

ということで、ここからは個性を話をしていきます。

個性とは、その人が何を大切にして生きているか、という価値観やこだわりです。

先ほど、彼氏彼女や結婚相手はプライベートのパートナー、税理士はビジネスパートナーといいましたが、プライベートのパートナーなら個性を重要視するはずです。

例えばですが、高収入でかつ外見も良くて、悪い人ではないけどギャンブルで浪費癖がある人物だと付き合っていくか迷いますよね。

ビジネスパートナーも同じで、高い専門性はあるけど浪費癖がある人物に自分の資産とお金を全てさらけ出す、というのは抵抗感があるのではないかと。

むしろ、自分自身の管理もしっかりできない人に、クライアントの資産やお金を守ることができるのか、と疑いの目を持ってしまいます。


ビジネスパートナーとして付き合っていくのであれば、

・なぜ税理士を目指したのか
・税理士という職業を通じて何を成し遂げたいのか
・政治やニュースに対してどんな意見をもっているのか
・プライベートではどんな生き方をしているのか


という個性を知ることで、「この人と付き合ったほうが良さそうだな」とか「この人はなんかやばそうだな」という嗅覚を感じることができます。

これはあくまで推測ですが、がーどまん氏は所属事務所の社長が税理士を紹介してくれたときに、この辺りのリサーチをしないまま契約したのだと思います。

本来であれば人間的に合わない人とビジネスパートナーになってしまったがために、コミュニケーションや関係性不足で申告漏れという結果に至ったわけで。


同じ意味で、個人的には税理士紹介サイトで値段が安い税理士を探すのはあまりおススメできません。

なぜなら、あそこには個性は書かれていませんし、もっというと専門性もチェックリスト程度に記載されているだけだからです。

もちろん、価格は大事なのですが、価格重視で契約すると価格以上のサービスは期待できません。

結果的に、がーどまん氏の税理士のように「時間がなかったから申告を先延ばしにした」という対応をさせてしまう可能性があることに注意が必要です。


ただし、今の時代は幸いなことに、税理士をはじめ専門家もたくさん情報発信をしていて、HP、ブログ、Twitter、YouTubeなどで、いくらでも価値観やこだわりを探ることができます

税理士をはじめ、専門家を選ぶときには、安易に紹介や紹介サイトに依存せず、自分の目と耳でその専門家の価値観やこだわりを確かめに行っていただければと思います。

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