【note】フリーランスのお金と暮らしの話

経営者は今の政治を反面教師に

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こんにちは、島田(@mshimada_tax)です。

最近世間を賑わせている、「高校生まで児童手当延長+扶養控除廃止+社会保険料増額」の政策。

まだ検討段階であり、決定事項ではないですが、「ステルス増税」と批判を浴びています。

というのも、多くの家庭の場合、「高校生まで児童手当延長」されても、「扶養控除廃止」と「社会保険料増額」で結果的に手取りが減ってしまう可能性が高いからです。

そもそも、少子化対策の目的は、子育て世代の経済的な負担を減らしてあげて、子育てしやすい環境を整えてあげましょう、であるはずです。

それにもかかわらず、児童手当で支給するから増税、というようなプラスマイナスゼロの政策は、発想からしておかしいわけで。

結果的にいまのままだと、異次元の少子化対策ではなく、異次元の少子化政策なってしまいます。


なので、今後の行く先を見守って、状況によっては声を上げていかないといけないわけですが、こういった間違った施策が立てられてしまう可能性は、会社経営にもあります。

ということで、経営の場面において、今の岸田政権のようなブレブレの運営をしないために、何を気をつけなければいけないのか、ということをお話ししていきます。

目次

目的を無視していないか

今の政治は目的を無視

今回の件をはじめ、最近の政策は表面的な方法だけを変えて、根本的な目的を達成しようとしていない、というのが私の見解です。

自動車メーカーでたとえてみると、地球環境を守るために電気自動車を作る、と言っているのに、既存製品のデザインを変えるだけ、といった感じで。

つまり、見た目だけ環境に良さそうに改良して、中身は全く変えてない、ということなのですが、これっていまの政治と同じだとは思いませんか?

冒頭でお伝えしたとおり、本来の少子化対策の目的は、子育てしたいけど経済的な理由で躊躇している若い世代が子育てしやすい環境を整えてあげよう、であるはずです。

その根本的な目的を無視して、児童手当を増やしてその代わりに扶養控除を廃止する、といったように表面的な制度を変えることばかりをしているのが、今回のような騒動が起こる原因だと思っています。

経営で目的の明確化は必須


という問題は、会社経営においても注意しなければいけないのですが、もう少し抽象度を上げてお話ししますね。

要するに気をつけたいのは、「何のために」を考えずに、「どのように」ばかりを考えてしまうことです。

この状態を言い換えれば、目的(Why)をおろそかにして、方法論(How)しか見えていない、ということ。

たとえば、コロナ禍で社員がコミュニケーションをとりやすいように、とりあえずiPadを配ってみた、という企業があります。

上層部の考えとしては、iPadさえ手元にあれば、社員は喜んで連絡を取り合うだろう、という意図だったのですが、お察しのとおり、実際iPadは活用されませんでした。

というのも、このケースでは、iPadでコミュニケーションを活性化する、という方法論(How)を考えていたのですが、何のために社員同士がコミュニケーションをとる必要があるのか、という目的(Why)の部分は曖昧だったんです。

ここが曖昧だと、そもそも論として、社員同士のコミュニケーションが必要ではなかった可能性もありますよね。
社員ひとりひとりが自立的に動いて、成果を上げてるならそれでいい、という判断もおかしくはないはずです。

仮に、社員同士のコミュニケーションが必要だと思うなら、それは「何のために」必要なのかを明らかして、そこを見失わないことが重要です。

そうでないと、いまの政治のように小手先の制度変更ばかりをして、何をしたいのかよく分からない政策になり、結果的に反感を買う、ということになりかねません。

経営者がよかれと思って、わざわざお金をかけてまでiPadを支給したにもかかわらず、誰にも喜ばれなかったら悲しいじゃないですか。


そして、このiPadの件に限らず、全ての戦略や指示は、この「何のために」に立ち返りながら進めることをお勧めします。

なぜなら、人の行動は、「何のために」という思考や感情から起こるからです。

たとえばですが、「より精度の高い提案をするため」、とか、「より迅速にお客様対応をするため」といった思考や、「iPadで効率化して仕事を早く終わらせたい」といった感情が行動の出発点になります。

逆に、「こうしたほうがいい」とか、「こうしなさい」という方法の指示だけだと、そのときには仕方なく指示どおりに動いてくれるかもしれませんが、継続的な行動にはつながりません。

ですので、どんな施策を講じるにしろ、目的を明確にし、人の思考や感情に訴えることが実効性を高めるポイントだということです

他人事になっていないか

今の政治は他人事

これもあくまで私の私見ですが、少子化対策が少子化政策になってしまっているもうひとつの理由として、少子化という問題が、今議論している政治家にとってそれほど影響がない、という事実があると考えています。

実際、彼(彼女)らの年齢を考えると、数十年先ますます少子化が進んで経済が縮小するにしろ、少子化が回復して経済が安定するにしろ、現役世代ほどメリット・デメリットは受けないはずです。

要するに、「少子化を防がないと自分の身が危ない」という状況ではないんですね。

もしそういう状況だったら、何がなんでも若い世代の経済的な負担を減らしたい、という思考になるはずなので、手当を支給するから扶養控除を減らす、というようなちぐはぐな政策は思いつかないはずです。

そして、関係省庁や若い世代以外の世代の反対意見に流されることなく、問題解決のための政策を打つと思います。

言ってしまえば、少子化の問題は、政治家にとっては自分事ではなく、他人事だというのが私の印象です。

経営は社員が他人事では意味がない

その意味で、いかに自分事にするか、ということは経営においても重要なポイントです。

自分事、というのは、自分に影響がある、自分に得がある、と分かってもらうこと。

特に社員に出す指示に関しては、社員が自分事として捉えてくれるようにならないと、指示は空回りになってしまいます。


そのためには、会社の方針そのものが、社員はじめ会社に関わる人にとって価値があるものでなければいけません

具体的にいうと、ビジョン(企業目標)を掲げるときも、社員にとってどんなメリットがあるか、という視点が大切だということです。

社員が魅力的に感じる職場環境や社員が成長できる事業を作る、といった、社員目線でのビジョンを考える必要があります。

そうではなく、仮に自分や会社の私腹を肥やすことしか考えていないビジョンは、それを誰かに伝えたとしても自分事にはなりません。

ここで注意すべきなのは、全ての社員が自分事化するビジョンを考える、ということ。

要するに、部門や雇用形態関係なく、全ての社員の目線に立つということなのですが、これをおろそかにすると、組織のなかで不満が出てきてしまいます。


そして、ビジョンだけではなく、日々の行動指針も自分事化できていることが重要です。

そのためには、社員のメリットとして、その行動指針にしたがうとお客様が喜ぶとか、仕事が早く進む、といったことが明確になっているほうが望ましいのは言うまでもなく。

ちなみに、ここでいう行動指針とは、簡単な例でいうと「笑顔であいさつする」とか「報連相を徹底する」といった日常の業務のなかで大切にすることです。

行動指針に関しては、社員が自ら考え、言葉にすることで、自分事化が進みます。

逆に、経営者から押し付けられる行動指針は、他人事になってしまうだけではなく、反発を生みます。

というのも、現場に関しては経営者より社員のほうが実態をよく分かっているはず(少なくとも社員はそう思っている)ので、押し付けられても、「社長は何にも分かってない」と思われてしまうからです。

これって、我々がいま政権に抱いている感情と同じですよね。

若い世代や庶民の実生活が分かっていないから、こんなに的外れな政策を出してくるのではないか、という批判はよく聞こえてきます。

ただ、政治の世界と経営で違うのは、社員にとってメリットのない施策ばかりをしていたら、簡単に逃げられてしまう可能性がある、ということ。

政治だと、政権が出す政策に不満があるからといって、すぐに国外に脱出できるわけではありません。

いっぽうで、会社だと転職や独立は比較的容易にできてしまいます。
いまの人手不足の時代だとなおさらです。


だからこそ、より一層、いかに社員を自分事として巻き込めるかが、キーポイントになってくるわけです。

まとめ

このように、今の政権を反面教師として学ぶべきことは多いです。

政治に期待したいところですが、まずは自分の組織から見直してみてはいかがでしょうか。

  • 実効性のある施策にするためには、目的を明確にし、人の思考や感情に訴える
  • 社員のメリットを明らかにし、彼(彼女ら)が自分事で動いてくれる仕組みを整える

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