承継のタイミングで経営計画が必要な理由

2023年1月6日2023年5月13日

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コンサルの現場では、経営者さんと後継者さんの橋渡し役になることを意識しています。

地元富山で受け継がれる伝統料理（※私がお店のファンなだけで、お店と何の関係もありません）

先代と後継者それぞれの想い

クライアントさんだけでなく、知り合いからのつながりで後継者さんや後継候補者さんとお話することが多いです。
私と彼・彼女らの年齢が近いということで、機会をいただけるということもあると推測しています。

その流れで、先代社長や承継を控えた現経営者さんとお話しする機会もあります。

両者から、それぞれ次のようなお悩みを聞かせていただきます。

【先代社長・現経営者さん】
・手続は完了したが、意思決定権の引継ぎができておらず、実質的な退任ができていない
・後継者が忙しくて引継ぎをする時間がない
・数年後に承継を控えているが後継者の経営管理能力が不安
・後継者から承継に対するモチベーションがいまいち感じられない
・後継者に資金繰りや会計のことを正しく教えられるか不安
・承継後に古参従業員との関係性にヒビが入らないか心配

【後継者・後継候補者さん】
・承継の前後の段階においても、実質的な意思決定権がないことにモヤモヤを感じる
・入社以来、現場の業務がメインだったため、経営数字の扱い方に自信がない
・先代社長は“ワンマンタイプ”だったが、自分の代では、民主主義型の全員参加経営の組織作りを目指したい
・承継にあたって従業員が自分に付いてきてくれるか不安
・自分も経営者としてのビジョンがあるが、どうやって踏み出せばいいかわからない

セミナーや会話の中で質問すると、両者ともに必ず最低1つ以上は当てはまるとお答えいただきます。

みなさんや、みなさんの周りの会社さんはいかがでしょうか？

感情のギャップを放置するリスク

現代の事業承継では、次のようなリスクがあります。

「現代」というのは、特に少子高齢化の時代において、という意味です。
現経営者が高齢で、なおかつ、後継候補者さんは少ない時代です。

人手不足の時代であるからこそ、後継者さんにとって、後継者になること以外に、魅力的な選択肢が沢山あること
これから日本の市場が縮小する時代に突入すること
万が一の事態があること（現経営者の寿命ではなく、いまと同じ状態で体力と気力が続く期間で承継する）

後継者さん、後継候補者さんがいる企業は承継のチャンスを逃してはいけません。

なぜなら、後継者さん、後継候補者さんがいること自体が強みだからです。

中小企業庁が公表している、
「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」によると、

2025年までに70歳（平均引退年齢）を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万（日本企業全体の1/3）が後継者未定

ということです。

つまり、後継者がいる状態で承継のチャンスを逃すと、次のチャンスがあるかはわかならい、ということです。

経営計画はコミュニケーションツールになる

多くの中小企業の場合、会社の強みも弱みも社長に依存しています。
監査役が外部役員がいないので、ブラックボックスです。

だからこそ、上述したような感情のギャップや気持ちの行き違いが起こります。

そこで、両者の橋渡しとしての力を発揮するのが、経営計画書です。
経営計画書は経営者が主体となって作成するものです。

詳しくはこちら↓にて。

そして、経営計画書の作成を通じて、

経営理念で経営の判断軸をつくり、
SWOT分析で内部の現状を把握し、外部の環境を分析し、
数値や行動の計画をたてる、

ことができます。

その過程で、先代社長・現経営者はお互いの気持ちや意志を共有します。
さらには、社員と意見交換をする機会もあるでしょう。

また、決算書の読み方や組織育成を学ぶきっかけになります。
そうすることで、いわゆる経営数字や人材に関する「知識的」なことを習得できます。

何より、経営計画書のような「型」があることで、
各セミナー、書籍、インターネットの情報をピックアップして我流で承継の準備するより、確実で正確な引き継ぎができるメリットもあります。