【note】フリーランスのお金と暮らしの話

経常損益だけでなく経常収支をチェックすべき

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損益計算書の経常損益はわかっていても、経常収支のチェックが不足している会社さんは割と多くいらっしゃいます。

今回は、経常収支の意味や、チェックしなければいけない理由についてお話していきます。

出金をしっかり管理
目次

損益?収支?

そもそも、なぜ損益と収支という二種類の言葉があるのか、ということからはじめます。

端的にいうと、損益は会計目線の言葉で、収支は資金繰り目線の言葉です。

たとえば、次のような例があったとします。

【2023年2月の実績】
売上100(入金は3月)
人件費70(月末締め、翌月25日払いなので、振込みは3月)
※上記以外の売上や経費はなく、3月の取引はないものとする。

このときに、会計目線である2月の損益は、試算表で売上100−経費70=利益30と表現されます。
そして、3月の損益は売上ゼロ、経費ゼロ、よって損益ゼロとなります。
お分かりのとおり、取引や契約の発生のタイミングで売上や経費を認識するのが損益です。

一方で収支面では、2月は入金ゼロ、出金ゼロ、よって収支ゼロです。
そして、3月の収支は、入金100−出金70=収支30となります。
つまり、お金の入出金のタイミングで売上や経費を認識するのが収支です。


ポイントは、経常収支は試算表だけでは分からないということです。
なぜなら、試算表はあくまで損益を計算する会計の書類だからです。
したがって、試算表で経常利益がプラスなら安心、とは言い切れません。

先ほど例で言うと、試算表上の2月の数字は利益30と表現されますが、お金は全く増えていないということです。
ですので、損益と収支の両面からチェックする必要があります。

経常収支を計算する方法

経常収支の計算方法を紹介する前に、一応経常損益がどこに表示されているかの確認します。
経常損益は、試算表や決算書に添付されている損益計算書にあります。位置的には真ん中あたりです。

では、次に本題の経常収支です。
経常収支の計算方法は大きく分けて2つあります。

ひとつは、資金繰り表を作成する方法です。
試算表や決算書に経常収支が記載されていないのであれば、新しい書類を作ってしまおう、という方法です。

この資金繰り表の青い部分までが経常収支を計算する欄です。
より具体的にいうと、通常の営業活動で発生する全ての入出金の情報が集約されています。

ちなみに設備収支は事業に必要な設備投資(建物、機械、車両など)を売ったり買ったりしたときの収支、財務収支は融資を受けたり返済をしたりしたときの収支の情報です。


もうひとつの方法は、損益計算書と貸借対照表から計算する方法です。
計算式はこのようになっています。

経常収支 = 経常利益 +減価償却費 + 各種引当金増減額 − 増加運転資金

「減価償却費ってなに?」「引当金ってなに?」「運転資金ってなに?」という疑問が湧いてくる方もいらっしゃるかと思います。

それもそのはずで、この2つ目の方法はどちかというと専門家向けです。
簿記や会計の知識があってはじめて理解できる公式になっています。


まとめると、はじめから資金繰り表を作って直接的に入出金ベースの経常収支を求める方法と、専門的な知識を使って損益計算書や貸借対照表から間接的に経常収支を求める方法がある、ということです。

融資のためにも経常収支をチェックすべき

金融機関は企業にお金を貸すことが仕事なので、損益はもちろんですが、収支を気にしてます。
むしろ、損益が赤字であっても、収支がプラスで返済できる能力があれば貸してくれる可能性があります。

でも、自社の収支はプラスです、と金融機関に堂々と説明できる企業は多くありません。
なぜなら、資金繰り表を作っていないからです。

ですので、金融機関は企業から提供を受けた決算書や試算表から経常収支をはじきだしています。

ただ、金融機関の担当者も忙しいので、資金繰り表の提出を求められる場合もあります。
だからこそ、企業が日頃から経常収支をチェックできていると、融資に有利に働きます。

また、経常収支の計算を金融機関任せにしない、ということもポイントです。
どういうことかというと、決算書や試算表から計算した経常収支が、実態を反映しきれていないリスクを考えるべき、ということです。

たとえば季節変動要因があったり、大型の受注が期中にあったりする場合です。

この場合、金融機関の担当者が決算書をみて経常収支を計算していたら、決算書はあくまで年間の数字なので、季節や月ごとの経常収支の変動をみることができません。

この問題の対策をすることができるのは、事業を最も理解している企業のほかにありません。
したがって、企業側が自ら経常収支を把握することが、スムーズに融資を受けることにつながります。

まとめ

資金繰りは会社の生命線です。
決算書上の損益だけではなく、資金繰りの状況も適時適切に把握しておきましょう。

◆編集後記

鼻かぜがひと段落しました。
結局、一日だけ休息をとりましたが、また今日から5時半起床の朝活が再開できました。

◆家トレ日記

1分間ステイダウンプッシュアップ

◆ 1day1new

ウィッシュボン キャラメルショコラサンド

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