【note】フリーランスのお金と暮らしの話

法人税の基礎~利益の3割は合ってるようで違う~

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たまには税務のことも書きます。

とある経営者の方から、

「利益の5割以上税金取られてるんだけど、そんなに高かったですかね。」

と、雑談のなかで相談されたので、改めて簡単に整理してみました。
(私が顧問税理士であるわけではありません。)

正確なキャッシュフロー把握のための、基本的な知識のおさらいです。

正しくルールを理解して適切に納税。
目次

何に対して税金がかかるのか?

会社を経営していると、当たり前のように税金がかかります。

その税金も、国に納める法人税と、地方自治体(県や市)に納める地方税があります。
そして厳密には、両者の趣旨や計算のルールは異なります。

ただ、今回の記事では、わかりやすさ重視で「法人税」と、表現をひとくくりにします

法人税の課税原則

法人税は「利益が出たら払ってくださいね」、ということになっています。
ですので、利益を基礎に計算されます。

つまり、利益が大きければ、払うべき税額も増えるということです。
(※これを「応能原則」といいます。税金を払う能力に応じて税金を課すという、税制の根本ルールです。)

そして、税率はだいたい3割~4割です。
ここに幅があるのは、会社規模、業種、所在地、そのほか税金の細かいルールによるものです。

計算の結果によっては、もっと低くなったり、逆にもっと高くなったりします。

どの利益をもとに計算されるのか?

決算書は様々な書類があります。

・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
・キャッシュフロー計算書
・注記表
・科目内訳明細書

この中で、税金計算のスタートになる利益が記載されているのは、損益計算書です。
そして、損益計算書のなかの、「税引前当期純利益」が税金計算のスタートなります。

したがって、普通に考えれば、「税引前当期純利益」に対して3割~4割の税金がかかる、
ということになります。

でも、冒頭でお伝えした会社さんのように、そのとおりにはいきません。
より正確にいうと、そのとおりになる可能性もあり、ならない可能性もあります。


タイトルの、「利益の3割は合ってるようで違う」は、そういう意味です。

こうなるのは、次に説明する税法独自のルールが「悪さ」をしています。

税務上の利益の仕組み

その「悪さ」の要因は、
「税引前当期純利益」≠「税務上の利益」
という落とし穴です。

この「税務上の利益」とは、税金計算において税率が乗じられる利益を指します。
(※法人税の金額=税務上の利益×税率、のイメージです。)


ではなぜ、「税引前当期純利益」≠「税務上の利益」なのか。
それは、法人税の計算の基本的な考え方として、

「会計の利益を利用して、税法でちょっと調整する」

という原則があるからです。

会計のルールでは担保できない適切な納税のため独自のルールを別途税法に委ねています。

税務上の利益は、一から計算し直しているわけではないので、「ちょっと調整」という表現にしました。
ですが、その調整金額が大きい場合があります。

そのような場合に、冒頭の経営者さんのような、
「利益に対して5割以上」、という結果があり得るわけです。

そのほかの注意点(特にコロナ後で)

そのほかにも、税金が利益の3割にならない税法のルールはいくつかあります。
その中で、特に中小企業やスタートアップ企業に知っておいていただきたいものを、ひとつ紹介します。

それは、赤字から黒字になったときの税法ルールです。
特に、ここ2~3年はコロナ禍で赤字だったが、最近業績が復活してきた、という会社さんもあるでしょう。

赤字が出たときは、利益がないので、基本的に税金はかかりません(厳密には、少額発生します)。

では、黒字になったとき、利益が出たから税金は発生するのか、というと、
そうとも限りません。

なぜかというと、

去年までの赤字を今年の黒字と相殺していいよ

というルールがあるからです。

通常、決算は1年ごとに向かえて、税金計算も1年ごとの数字を基礎にしますが、期をまたいで利益を通算するイメージです。
(厳密には、またげる期の制限があります。)

したがって、今年は黒字で、損益計算書の税引前当期利益が100あっても、
去年が赤字100であれば、今年の税務上の利益は両者を相殺して0、ということになります。

「今年利益が出そう」というときに、
節税対策でモノを買ったり、節税商品に手を出す前に、去年までの溜まっている赤字はないかを確認することをおススメします。

まとめ

今回は会社にかかわる税金の基礎を簡単に説明しました。

冒頭でもお伝えしましたが、この記事の意図は、正確なキャッシュフローの把握です。

そのために、少なくとも経営者の方々に知っておいていただきたい知識を共有させていただきました。

会計の利益にそのまま税金が課されるわけではない

最低限これを覚えておいていただければ嬉しいです。

◆編集後記

昨日、性能が悪いパソコンで仕事をせざるを得ないことがありました。
結論からいうと、ITにお金を惜しんではいけないと、改めて感じています。
精神的にも、経済的にも良くないです。。。

◆家トレ日記

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◆ 1day1new

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