会社見学や工場見学を開く３つのメリット

2023年2月17日2023年5月23日

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会社見学や工場見学といった、外部の人を招くイベントをうまく活用して、会社を発展させている中小企業があります。

私も、事務所内や工場を案内してもらう機会をいただくので、
それがどのような効果を生み、何が期待できるのかをまとめてみました。

会社のファンができる

会社見学や工場見学は、自社の製品を見てもらうこと以上に、アピールできるポイントがいくつもあります。

・人間的なキャラクター
・会社の歴史
・会社のビジョン
・会社のこだわり
・製造過程
・まだ商品化していない商品の紹介
・品質
・・・

こういった、目に見えない無形の会社の「良いところ」を知ってもらうことができるのが特徴です。

その結果、目に見えない部分だからこそ、それを共有することで外部の人と感情的なつながりを持つきっかけになり、信頼関係が生まれます。
そして、この信頼関係でつながった人たちが会社ファンになってくださいます。

では、ファンができるとどんな効果が期待できるのか。
まず考えられるのは、「口コミ」が起こる可能性が高くなるということです。

そして、重要なのはその「口コミ」のクオリティが高いということです。
というのも、「口コミ」にも様々あり、ネット上で出回っているような誰が書いたかわからないような表面的なものがあります。

一方で、感情的なつながりのある「口コミ」は、「会社が大切にしていること」や「会社のキャラクター」が良くも悪くも伝わります。
したがって、会社が本当に伝えたいことを言い表してくれる深い「口コミ」が起こりやすくなります。

お伝えしたいのは、それが結果的に「差別化」になるということです。

というのも、現代は、モノと情報があふれていて、消費者やお客様が、誰から買うのかを選択できる時代です。

だからこそ、製品そのものや価格以外で、自社が選ばれる理由を広めておくことが有効なのではないでしょうか。

社員のモチベーションが上がる

会社見学や工場見学は、外部の人だけではなく、社内の人間に対しても影響を与えます。

たとえば、定期的に地域の子どもを工場に招いたり、製品の材料を使ったワークショップを開いたりしている会社があります。

そして、経営者の方に参加者さんの感想はどうだったかをお聞きすると、
参加した子どもが喜んでくれるのはもちろんのこと、なかには「将来ここで働いてみたい」と言ってくれる子がいるというお話を聞きます。

ただ、何より一番嬉しいのは、社員のモチベーションが上がり、結果的に成果が出た、ということでした。

ではなぜ社員のモチベーションが上がったのか。
それは、会社の外部の人間から評価されることで、社員の「自己肯定感」が満たされたから、ではないかと考えています。

というのも、社員のなかには、自分の働きぶりを外部の人から客観的にみられる機会はほとんどない方もいます。

そのような社員も、社会に喜ばれ、子どもから憧れる職業という自覚を持つことで、仕事へのやりがいを感じることができるのでは、と考えています。

ましてや、それが忖度を知らない、純粋な子どもからの意見であればなおさらです。

生産性が向上する

最後に、会社の業績そのものにも良い効果があるということをお伝えします。
そのメカニズムは次の２点です。

教えることで知識が定着する

これは、いわゆるラーニングピラミッドの考え方です。

ラーニングピラミッドの詳細な説明は割愛しますが、要はこういうことです。

物事の学習にあたっては、講義を受けるような受動的な学習ではなく、人に教えるような能動的な学習のほうが早く脳に定着する

何が言いたいのかというと、会社見学や工場見学で自社の商品や製品を説明する、という能動的なアクションを行うことで、社員の脳にその商品や製品の知識が定着しやすくなる、ということです。

ポイントは、人に教える行為を通じて、その情報を自分の脳内で理解し、整理する過程が必然的に起こる、ということです。
その結果、社員の行動の質が高くなり、生産性が上がることが期待できます。

会社がキレイになる

これは副次的な効果かもしれませんが、外部の人を招くにあたっては、物理的な整理整頓をすることになります。

これにより、見た目が良くなるだけではなく、社内の動線が改善されることで生産性が上がることが期待できます。

たとえば、製造業の場合だと、資材が工場の動線の邪魔をしていて、無駄な時間が発生していたり、事故の危険性が高まったりしている、という話は良く聞きます。

一方で、普段は忙しいという理由で、そのような問題を見て見ぬふりをしてしまっている会社さんもいるのではないでしょうか。

だからこそ、外部の人に触れるという、半強制的な機会を利用して、社内や工場内を物理的にキレイにすることが有効といえます。