ビジネスをしていると、
「ニッチな市場を探せ」
「ニッチな分野で戦え」
とよく聞く機会があります。
この「ニッチ」がどういう意味で、なぜ中小企業経営において重要なのかを、深掘りしていきます。

ニッチの語源
ここでは、Wikipediaなどのインターネットの情報をまとめていきます。
ニッチはカタカナで表記されるとおり、もともと外来語です。
【語源の流れ】
ラテン語「nidus(ニードゥス)」:巣、巣窟
↓
フランス語「niche」:像などを置くための壁面のくぼみ
↓
英語「niche」:ラテン語・フランス語の意味+”くぼみ”から転じて隙間、さら転じて「適所」「得意分野」
こういった歴史から、各分野で意味と使われ方が異なるようです。
具体的には、
建築用語:空間的な隙間やくぼみ
生物学用語:生態的地位
経済学用語:市場的な隙間
といった感じです。
(※余談ですが、芸人のニッチェさんのコンビ名の由来は、この「ニッチ」とは関係ないようです。)
一般人がもっとも日常的に振れるのは、経済学用語的な意味のニッチです。
既存の商品やサービスに満足できない消費者がいる場所や、
そもそも需要が潜在化していて誰も手を付けていない場所、
こういった場所は語源のとおり「市場の隙間」であり、ここに金脈が眠っているから狙え、と言われているわけです。
なぜニッチ市場なのか
中小企業の戦略として、「ニッチな市場で戦う」ことが、ひとつのセオリーになっています。
改めて、その理由を3つに分けて考えてみました。
その1:売上規模を追わなくていいから
隙間の市場で戦う、ということは、青天井の売上は見込めません。
隙間の範囲を超えて勢力を拡大しない戦略だからです。
では、中小企業にとって青天井の売上は必要でしょうか?
上場を目指す企業は別ですが、大多数の中小企業は必要としていないと考えています。
もちろん、中小企業が前進し発展していくための、目標売上や目標利益はありますし、あるべきです。
しかしながら、その目標は隙間をうまく見つけて攻めていけば達成できるものでなのではないでしょうか。
その2:経営資源が限られているから
隙間市場ではなく、大きな市場で攻めようとすると、ヒト、モノ、カネが必要になります。
これは必然です。
大きな市場で攻めるのことができるのは上場企業をはじめとする、大企業です。
彼らはヒト、モノ、カネという経営資源を豊富に持っています。
一方で、言わずもがなですが、
中小企業の経営資源は限られています。
この限られた経営資源で勝負するには隙間で戦うしかない、ということです。
例えば、100個の花の苗があって、水が1ℓしかないとき、
100個全てに水を均等に与えるのか、1個に集中して水を与え続けるのか、とイメージは同じです。
より確実に、花を咲かせられる(経営の成果)を上げることができる戦略をとるはずです。
その3:隙間に入りやすいから
そして、隙間は入ることができる人数は限られています。
ですので、先に入ったもの勝ちです。
この点で、中小企業は大企業と比較して、地域性や専門性があったり、検討から意思決定し実行するまでのスピードが早いという特徴があります。
株主や世間の声に惑わされる心配も、可能性としては少ないはずです。
人間の身体で言うと、柔軟性があり、背が小さくてスリムだということです。
構造的に有利なので、これをうまく使わない手はない、ということではないでしょうか。
どうやって隙間=ニッチ見つけるのか
隙間を見つけるという漠然とした問題は、普段気にしているものの、
目の前の仕事が忙しいと手を付けられない傾向があります。
その原因のひとつとして、考える着眼点が揃っていないことが考えられます。
そこで有効なツールがSWOT分析です。
SWOT分析は、大きく分けて4観点から、数字は分からない事業内容や将来性を言語化するツールです。
SWOT分析の概要については過去記事を参照ください。

例えば、
SWOT分析のうちのO(機会)だと、
「既存商品の周辺サービスや周辺商品をパッケージにすることで、同業者に売ることは可能ではないか」
S(強み)だと、自社の周りにいる関係者をインプットしたうえで、
「どのような知り合いがいるか、ネットワークがあるか、どの企業なら応援してくれるか」
といったことを、ひとつひとつ丁寧に言語化していきます。
これを繰り返していくと、隙間のリサーチを前進させることができるでしょう。
まとめ
「ニッチ」は聞き慣れた言葉ですが、なぜ注目されるのかを理解することが重要です。
改めて、
これを突き詰めていくことが必勝法だと感じています。
◆編集後記
昨日は初めて、歯科医院の院長先生方が主催されているFacebookライブに登壇させていただきました。
どの業界も同じ悩みを抱えていて、いま私が違う業界で支援させていただいていることも、お役に立てることがわかりました。
今年は歯科や医科といった福祉の業界にも携わらせていただけるように動いていきます。
◆家トレ日記
軽い休養日。
逆立ち腕立て10回×3セット
◆ 1day1new
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