【note】フリーランスのお金と暮らしの話

フリーランスが生き残るための攻めと守りのバランスとは?

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こんにちは、島田(@mshimada_tax)です。

今回は、経営の攻めと守りのバランスがテーマでお話していきます。

私は攻めと守りを次のように定義しています。

  • 攻めとは、お金と時間を売上獲得のために使うこと。
  • 守りとは、お金と時間を管理業務のために使うこと。


私も自分の事務所と会社を所有していますが、この2つを両立する難しさを感じています。

そして、一般的に、経営者が税理士に頼んでいるのは、決算や申告、資金繰りといった管理業務が中心だと思います。

なので、経営者の方は、税理士という専門家を上手に使いながら、攻めと守りのバランスをとっていくことになります。

この辺りの、私がお客様と目指す未来については、プロフィールでお話していますので、ご興味があれば立ち寄っていただければと思います。

いずれにしろ、税理士を攻めと守りの両面でフル活用していただきたいのですが、それぞれの性質とバランスの取り方を知っておくことで、経営者が主導権を握ることができますので、本記事ではその辺りを解説していきます。

目次

経営の攻めと守りとは

先ほどお伝えした、経営の攻めと守りについてもう少し詳しく解説していきます。

繰り返しになりますが、攻めとは、お金と時間を売上獲得のために使うこと、です。

新規取引先と関係性を築いたり、事業拡大のための採用や設備投資をしたりするのはまさに攻めといえます。

また、新しい商品や事業を増やす、という戦略を決めて実行することも攻めです。

ちなみに、売上獲得という言葉を使っていて、利益に着目していないのは、利益は「売上-経費=利益」なので、経費削減も関係してくるからです。

経費削減は守りであり、攻めと守りがごちゃ混ぜになってしまうので、シンプルに売上獲得を攻めとしています。

もちろん、攻めは経営状態に対してプラスの影響を与えます。

なぜなら、売上を獲得することによって会社が本当の意味で経済的に豊かになるからです。

金融機関から受ける融資や、他人から受ける出資は他人のお金なので、経済的に豊かになっているわけではありません。

売上を獲得することで自己資金が増え、自由に使えるお金が増えます。


反対に、守りとは、お金と時間を管理業務のために使うことです。

管理業務とは、決算、申告、経理、融資、資金繰りなどであり、この一部、若しくは全部を税理士に任せているのが世の中の企業では一般的です。

この管理業務を適切にやっていなかったら法律で罰せられますし、いつの間にか資金が底をついてしまった、ということになりかねません。

攻めが経営状態に対してプラスの役割を担っているなら、守りはマイナスからゼロにしたり、マイナスにならないようにゼロを保つ役割を担っている、ということになります。

で、経営者のなかには、攻めが得意な人も守りが得意な人もどちらもいます。

ベンチャー系のイケイケ社長でしたら、攻めが得意な人が多いかもしれませんが、アトツギ社長だったら、先代が築き上げてきたものを死守する役割があるので守りが得意な人もいるでしょう。

これは個人的な偏見かもしれませんが、要は、人によって得意不得意がわかれるものの、会社が攻めと守りのどちらかに偏ってしまっては危険だということです。

攻めるだけではダメ

ではもし、攻めのほうに偏りがあるとどうなるか。

攻めだけに集中していた場合に、不測の事態が生じたときには、たとえ業績が良くても一気に大きなトラブルに見舞われるので、必ず守りが必要になります。

不測の事態として考えられるのは、たとえば社員の事故やクレーム。

経営者の管理が甘かったり、ルールが明確でなかったり、または、ルールがあっても社員にその重要性が伝わっていなかったりすると、社員の行動は予期せぬトラブルを引き起こします。

トラブルという生半可なものであればいいのですが、ときにはルールが徹底されていないことでニュースになるような痛ましい事態だって起こりかねません。


また、お金に関しても不測の事態は起こり得ます。

かなり業績がよくて売上の数字上は右肩上がりなのに、なぜか手元に現金がなくて倒産、ということが起こりますが、これが黒字倒産と呼ばれるものです。

黒字倒産は、売掛金が予定通りに回収できなかったり、仕入れを急ぎすぎたりしたときに簡単に起こってしまいます。

このように、不測の事態とはいえ、決して万が一の確率で起こるようなものではなく、日常的に発生のリスクがあることに注意しなければいけません


それに加えて、コロナのような”本当の”万が一の事態が起こった時に、手元に資金はいくらあって何か月分耐えられそうなのかが把握できていなければ、金融機関や公的機関への手続きに手間取ることになるでしょう。


攻めの活動を安定的に継続していくためにも、守りの活動を怠ってはいけません。

守るだけではダメ

反対に、守りのほうに偏っていたらどうなるか。

守りだけに集中していた場合に、必要なお金を手に入れることができなくなったときは、最悪、倒産や廃業の危機を迎えるので、必ず攻めも必要になります。

特に、斜陽産業や競合が多いレッドオーシャンの業界では、じわじわと売上が減っていってるにもかかわらず、打ち手がないまま放置してしまうと、あっという間に資金がショートしてしまいます。

こういうときに、資金繰り表を作ることで資金の推移を見える化したり、ムダなコストを削減したりする守りも大切なのですが、その効果はたかが知れています。

特に、コストの削減は、最後はムダの粗探しになってしまい微々たる効果しか生まれません。

だからこそ、攻めて売上を獲得するしか方法はないのです。

売上は唯一、資金を青天井で、かつ、自分たちの裁量で集められる方法ですよね。

単純な話で、苦境から脱するには、守りを固めるのではなく、攻める行動が必要になります

スポーツと同じで、負けないためには点(数字)を稼ぐしかないのです。

経営者の理想のバランス

と、ここまで会社は攻めと守りのバランスをとっていきましょう、という話をしてきましたが、経営者の業務分担という面でいうと話は別です。

経営者は攻めと守りを均等にすればいいのではなく、私の理想のバランスは攻め9割、守り1割です

なぜかというと、攻めの業務のほうが経営者しかできないことのほうが多いからです。

先ほどお伝えした、新規取引先の開拓、採用、事業拡大の戦略検討というのは、経営者にしかできません。


反対に、守りの業務は、他の得意な人に任せることができます。

銀行との交渉は社長の役目ですが、交渉するための毎日の資金繰り計画や投資計画を数字に落とし込む作業は経営者以外の適任者に任せることができますよね。

むしろ、そういった法律や会計が絡む専門知識は、習得に時間がかかるので、ますます詳しい人物に任せたほうが得策といえます。

人に関する守りも同じです。
経営者が現場の全てをみているわけではないのが実情かと思います。

そうすると、普段から社員を間近でみている現場責任者のほうが、人間関係や社員の様子に詳しいはずですよね。

一番の理想は、社長が何も言わなくても、社員が自立的に動き成果が上がる仕組みがあることです。


では、もし現時点で守りの時間のほうが多かったり、攻めと守りがトントンくらいだったらどうやって攻め9割、守り1割の形にしていけばいいのか。

おススメは次の3ステップです。

  • 守り1割の仕組みをつくる
  • 攻め9割に近づける
  • 攻め9割のレベルを上げる

まずは、守りを固めて、資金の水漏れを早めに解消しておきましょう。
たとえ売上を獲得できたとしても、そのお金が適切に管理されていなければ、獲得した意味がありません。

守り1割の仕組みについては、最初は税理士に任せていいですが、内製化できるところはさっさと進めて、税理士には法律上のルールで必要なもののみ任せるのが理想です。

税理士に依存しない分、経営数字の更新が早くなりますし、コストもかかりません。

守りの仕組みができたら、なるべく業務の割合を攻め9割の近づけるように意識していきます。

普段は攻めに集中していて、ふとしたときやトラブルが起こったときに管理体制に目を向けることができるくらいが理想です。

そして、売上獲得のために攻めのレベルを上げていきます。
守りの管理業務の仕組みがあるなら、攻めの売上獲得の仕組みも作っていくイメージです。

それぞれの仕組みについては、また別の機会でまとめていきます。


もし、自社の経理状況や経営状態を踏まえて、攻め9割、守り1割に向けて具体的に何をすればいいのかをマンツーマンでご相談したければ、下のリンクからLINE個別相談を承っていますので、そちらもチェックしてみてください。

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