【note】フリーランスのお金と暮らしの話

士業コンサルがテクノロジーを学ぶべき理由

  • URLをコピーしました!

こんにちは、島田(@mshimada_tax)です。

われわれ士業の業界はテクノロジーの影響を大きく受けています。

私が税理士業務に携わるようになってまだ8年程度ですが、最初の頃と今では大きく様変わりしています。

クラウド会計は全く広まっていなかったですし、e-Taxやダイレクト納付といった公的なシステムも普及していませんでした。

前職で、規模の大きい法人のお客様だと、何百枚という申告書や決算書類を何部もコピーして、段ボール箱に詰めて納品していたのは良い思い出です。


そして、これと同時に言われているのが、税理士の仕事がテクノロジーに奪われるのではないかといこと。

耳にタコができるくらい雑誌やネットで「消える職業」の記事が出回っていますが、特に税理士はその常連です。


ただ、私はテクノロジーとうまく付き合っていけば、むしろ税理士業の可能性はどんどん広がっていくのではないかと考えています。

特に、数字というデータを扱う税理士とテクノロジーはとても相性が良く、さらにはお客様にとってもメリットがあります

税理士に限らず、いわゆる財務コンサルタントも同じです。


本記事ではその理由をお客様目線と税理士目線の両方からお話ししていきたいと思います。

そして、テクノロジーとうまく付き合っていくため私が意識しているポイントもお伝えします。

目次

お客様のメリット

税理士がテクノロジーを活用することによって、お客様が得られるメリットを2つの視点からお話ししていきます。

早く使える情報が手に入る

お客様が求めているのは成果物です。

もちろん、記帳代行など作業の部分でお金を払ってくださっている業務もあるかと思いますが、その結果どういう数字が出てどういう対処すれば会社は良くなるのか、という次の一手を知りたいはずだと思います

この次の一手を早く、そしてお客様が理解できるようにお届けすることが大切です。

早さという意味では、極端な話、税理士やコンサルタントが作業に何時間かけているかは、お客様には関係ないことなのだと思います。

同じ仕事で10時間かかっていようが、1時間かかっていようがお客様には関係なく、同じ結果なら早く出てくることに越したことはありません。

レストランに行って、同じメニューを頼んで10分で出てくるのか、1分で出てくるのか、どっちがいいかということを考えたら後者ですよね(1分は極端かもしれませんが)。


そして、お客様が理解できる(使える)ようにお届けすることも大切です。

というのも、どんなに税理士が手をかけて資料を作ったとしても、お客様がそれを理解できなかったら意味がないからです。

もう一度、レストランでたとえると、とても手の込んだフランス料理が出てきても、それが自分の口に合わなかったら満足はできないですよね。

これは士業の業界も同じで、お客様が理解して、自社の経営のPDCAをまわしていくための材料として活用できることが、本当の意味で重要なポイントになります。


この情報の早さと理解しさすさという点で、テクノロジーはわれわれをサポートしてくれます。

手書きの資料よりデータでシステムと連携していると、情報は常に最新ですし、資料の統一性もあります。

もちろん、最終的な人の目は入れつつ、タイムリーで見やすいデータを生成してくれる能力はテクノロジーのほうが高いので、そちらにお任せしたほうがお客様にとってメリットは大きいということです。

時間的負担が減る

もうひとつ、忘れてはいけないメリットは、負担を減らせることです。

テクノロジーの醍醐味と言えば醍醐味ですね。

私が特に効果的だと感じるのは時間的負担の軽減です。

お客様はなぜ税理士に依頼しているかというと、自社では税務に対応できる時間がなかったり、その専門知識を身に着けるための時間をとれなかったりするからです。

なので、いかにお客様の時間を作って、お客様が本当にやりたいこと・やるべきことに集中できる環境を整えることが士業の使命だと考えています。

この点で、お客様から資料を集めるときに郵送で対応していただくのか、クラウドで共有していただくのかで、お客様が使う時間は大幅に変わってきます。

せっかく税理士に依頼したのに、その税理士とのやり取りでお客様の時間を長時間拘束することがあっては本末転倒です。

ITツールを導入したのにも関わらず、結果的にお互いの負担が増えてしまっていないかという視点は常に持っておきたいところです。

士業のメリット

ここからは、テクノロジーとうまく付き合うことよって得られる税理士側のメリットをお話ししていきます。

そのメリットとは、様々なリスクから自分自身を守ることができるということです。

たとえば、テクノロジーを使うことによって、検討事項をより注意深く調べることができるので、検討漏れや間違った処理をしてしまうリスクを抑えることができます。

理由は単純で、税理士側の時間に余裕が生まれるからです。

税理士であっても1日24時という持ち時間は変わらず、他の人と基本的な体力の差はありません。当たり前ですが。

もちろん、専門家である以上は検討すべきことは検討して、必要な情報を集めて判断していくわけですが限界があります。

限界があるなかで、パフォーマンスを上げるためには、その時間の中身を工夫するしかありません

1日8時間労働だとして、作業の時間が6時間あって、検討事項を調査する時間が2時間という時間の使い方から、それぞれ4時間ずつになると、後者の時間を2倍確保できるようになります。


あとは、数字の精度を高めることができるというメリットは大きいです。

特に税理士は、他の士業との違いとして数字と触れ合う機会が多いので、テクノロジーとの相性が良いほうだと思います。

とても簡単なところでいうと、資料をPDFでもらって、印刷して手入力で数字を打つよりかは、PDFをExcelに変換してExcelの関数を使ったほうが確実ですし、精度は格段に上がます。


そして、テクノロジーは精神的衛生上にも良い効果をもらたしてくれます。

私は作業系の仕事は嫌いではないのですが、作業時間を短縮できたときに快感を覚えます。

少し毛色が違いますが、普段歩いている道を自転車で通ると気持ちいんですよね。

タイムワープした感覚というか。

話は逸れましたが、仕事でテクノロジーを使うと、これと同じ感覚になれます。

「仕事は楽しむべき」と言われますが、仕事を楽しくする秘訣は意外とこういうところが起点になるのかもしれません。

テクノロジーとの付き合い方

では、どのようにテクノロジーを学習していけばいいのか、というと、必要に迫られたときに必要な知識を学習すればいいというのが私の意見です。

というのも、そういったある意味未知の分野は、ある程度必要に迫られないと身に着けようという気力が湧かないと思うからです。

現状が忙しくてどうにもこうにもならない、という状況になって、それに対処するために未知の分野に手を出してみようとするのが人間の性なのかなと思います。

ただ、私自身がそうであるだけで、他の方は差し迫られる前に新しい知識を吸収することができるかもしれませんし、むしろプロフェッショナルとしては、そのほうが正解であるはずです。


なので、まさに今、効率化したいと思っている業務に対して改善できる知識やスキルを身に着けていけばいいのではないか、というのが私の基本スタンスです。

そしてそれは決して難易度の高いものではなく、難易度の低いものから小さく始めるのがオススメです。

今までExcelを使っていない集計作業があったらExcelを使ってみる、Excelで関数やマクロを使っていなかったら使ってみる、と段階を踏めば徐々にできることが増えて楽しくなります。


ちなみに、こんな記事を買いている私も特段ITに強いわけではありません。

ただ、定期的にある業務では、毎回何かしらのテクノロジーを使って時短を図ったり、精度を上げたりしています。

しかも、それは新しいExcel関数を使ったり、新しいクラウドシステムを使ったり、難易度もいろいろあります。

ですが、どれも回を重ねていくと時短の効果や精度が上がる効果が分かるので、やっていて面白さを感じるのは確かです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアはこちらから!
  • URLをコピーしました!
目次