【note】フリーランスのお金と暮らしの話

星野リゾートのマスク撤廃は理念戦略

  • URLをコピーしました!

つい先日、星野リゾートの星野社長がTwitterで、コロナウィルス感染症が2類から5類に変更されるタイミングで従業員全員のマスク着用を撤廃することを発表しました。

今回は、この星野社長の意図と戦略について考えていきます。

星野リゾート「ではない」旅館
目次

星野リゾートのマスク撤廃

先にお伝えしておきますが、この記事ではマスクが必要か不要か、ということに焦点をあててはいません。あくまで経営戦略目線でのお話です。

ではさっそく本題に入っていきます。

星野社長のTwitterの投稿では、従業員全員がマスクを外すことを宣言するとともに、マスクをしていない従業員の笑顔の写真を載せています。
(Twitterのアカウントは@skier1960。4月28日の午後8時42分頃の投稿です。)

この投稿には賛否両論のコメントがたくさん湧いています。
星野社長の判断を賞賛する声もあれば、「もう二度と星野リゾートには行かない」と批判する声もあります。

特徴的なのは、投稿に対する声が二極化している、ということです。どちらの意見が多いは別として、より星野リゾートや星野社長のファンになったという人がいれば、心が離れていった人もいるようです。

では、なぜ星野社長はわざわざTwitterにこのような投稿をしたのか、ということを考えていきます。星野社長のことなので、無策でTwitterへ投稿したということはないでしょう。

星野社長の真意

ここからは完全に私の解釈です。星野社長に真意を直接伺ったわけではありませんので。

ただ言えるのは、批判も全て計算した上での投稿だということです。これだけマスクに関して、特に日本人は敏感であることは自明の理であるわけなので、撤廃すると宣言したら波風が立つことは分かっていたはずです。

ですので、星野社長は、あえて批判が上がる内容の投稿をしたともいえるでしょう。あえて世の中を二分する問いかけをしたともいえます。

星野社長のこの投稿に込めた真意はいくつかあると思いますが、自社の理念を前面に押し出したファンづくりをしている、のではないかと考えています。

というのも、投稿文での「接客サービスで笑顔は大切な要素」、という理念(価値観)に共感した人が賞賛の声を上げているからです。笑顔が見える接客の素晴らしさに共感した人は、ますます星野リゾートのファンになったことでしょう。

ポイントは、マスクを外す・外さないの判断基準を理念(価値観)に委ね、それを社長自ら発信している、ということです。

これにより、

・理念(価値観)に共感するファンを増やし
・理念(価値観)に共感できない人はお客さんにしない

という結果になっています。

要するに、この星野社長がTwitterでやっているファンづくりは、マーケティングそのものだといえます。
なぜなら、来て欲しいお客さんに泊ってもらえるような仕組みが発信通じて出来上がっているからです。

ちなみに、このような理念を活用したマーケティングは、最近だとスープストックトーキョーの件があります。
離乳食を無償提供することを発表してSNSで炎上しましたが、その意義を企業理念に照らして正当化した事例です。

このスープストックトーキョーの件については、今日配信のメルマガで書きました。登録していただければ過去のバックナンバーが読めますので、ご興味がある方はぜひ。

「笑顔は大切な要素」はバリュー

星野社長が言っている「接客サービスで笑顔は大切な要素」は、経営理念のミッション(目的、使命、存在意義)、ビジョン(目標、あるべき姿)、バリュー(価値観、行動指針)のうち、バリューに当てはまります。

ちなみに、私のバリュー(価値観、行動指針)定義は次のとおりです。

バリュー(価値観、行動指針):
社長、役員、社員ひとりひとりの仕事に対する価値観や行動指針。ミッション、ビジョンを実現するための必要な価値観。

とすると、星野リゾートにおいて、日々の接客業務にあたって大切すべき行動指針は「笑顔」だといえます(もう一度いいますが、これはあくまで私の解釈です)。

つまり、このバリューを守るために、全社員マスクを外すという選択をしたということです。そうすることで、マスクを外すという判断に正当性をもたせることもできています。

また、このバリューを公に発信することで、改めてバリューの大切さを全社員に浸透させるという意図もあるのではないかと推測しています。

まさに、理念を社員教育といった社内に向けたマーケティングにも活用できることを意識させられる事例だといえます。

なお、ミッション(目的、使命、存在意義)やビジョン(目標、あるべき姿)がある会社でも、バリュー(価値観、行動指針)がない会社は多く見られます。

バリューはミッションやビジョンを実現するための必須要素ですので、バリューがない会社は言語化することをおすすめします。

まとめ

今回は、星野社長のTwitterでの投稿の真意を、理念を起点とした戦略の視点からみてきました。
最近はSNSのおかげで、たくさんの人の価値観に簡単に触れられるようになったので、こういった推察もしやすくなりました。

・星野社長の投稿の真意は、自社の理念を前面に押し出したファンづくり(外的効果)
・星野社長自ら発信することで、バリューを全社員に浸透させている(内的効果)


◆編集後記

昨日は時間が空いたので自社のバックオフィス業務を進めました。
定期的に時間をとらないと、ついつい後回しになります。

◆家トレ日記

BOOST ATHLETES
DAY5【この変速トレを知らずに大きい胸は作れない】4分30秒の徹底的に追い込む変速大胸筋トレ!!
https://www.youtube.com/watch?v=ZnhvtTZIx10&t=356s

◆ 1day1new

とある金融機関のATMで通帳記帳


この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアはこちらから!
  • URLをコピーしました!
目次