スモールビジネスに必要な判断軸とは？

2023年5月10日2023年5月16日

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ひとり会社や個人事業主でビジネスをするにあたっては、経営判断の最終決定権者は全て自分自身になります。

この点で、事業を運営していくにあたって、経営者としてブレない意思決定をするためのコツは大切だといえます。

良くも悪くも社長ひとり

スモールビジネスは、基本的に、社長がひとりで計画を立て、実行していく経営スタイルです。なかには、パートやアルバイトさんを雇っているケースもありますが、いわゆる「責任者」は社長以外にはいないはずです。

（ここでは「社長」と表現していますが、フリーランスで個人事業主として活動している方も含みます。）

社長ひとりだと、社員や株主の承認手続きが不要であるため、大きな組織と比べて迅速な意思決定がしやすい傾向があります。いっぽうで、社長ひとりだからこそのデメリットもあります。

そのデメリットとして考えられるのが、客観的なチェックが入る余地がないということ。第三者が俯瞰的にみれば明らかに間違っている選択を社長がしようとしていても、それに意見したりストップをかけたりしてくれる存在はいません。

ですので、極端な話、血迷って犯罪に手を出そうとしていても、社長が冷静な判断能力を失っているのであればだれも止めることはできない、ということになります。

また、経営をしていれば浮き沈みがあります。調子が悪いときであっても、食べていくために経営を続けていかなければいけません。

調子が悪い時というのは、メンタル的にも落ち着きません。悪いことが続けば平常心を失うこともあるでしょう。

そうなると、「なぜこんなつらい想いをしてまで事業をしているのか」「何を目標に事業をしているのか」ということさえ分からなくなってしまうかもしれません。

そして、ひとり社長の働き方の場合、特に職場が決まっているわけではなく、従業員がいないと働けない環境ではないことのほうが多いでしょう。この場合は、仕事とプライベートが一体になっているといえます。

そのような環境だと、気分が乗らなければ怠けることができてしまいます。そうすると、生産性がなかなか上がらない、という場面も出てきてしまうかもしれません。

問題は判断軸がないこと

このように、スモールビジネスであるからこそのデメリットもさまざまあるわけですが、ここまでお話ししたデメリットの背景に共通しているのは、判断軸がない、ということです。

判断軸とは、物事の良し悪しを決める際の基準です。

第三者の俯瞰的なチェックがない、ということは、客観的な判断軸がないといえます。

事業の目的や目標を見失う、ということは、経営上の判断軸がないといえます。

気分が乗らないと怠けてしまう、ということは、自分を律する判断軸がないといえます。

このような判断軸がなくても、鋼のメンタルでトライアンドエラーを繰り返しながら事業を発展させることができる人もいるかもしれません。

ですが、これからどんなエラーが待っているか分かりませんし、既に取り返しのつかないエラーを経験している方もいるのではないでしょうか。

判断軸を言語化する

ですので、確固たる判断軸を持っておくことが、スモールビジネスを成功させるためには重要だといえます。

そして、この判断軸は、平常時に言語化しておくことがポイントになります。というのも、なるべく心が落ち着いている状態で、客観的な判断軸を作るためです。

判断軸はどちらかというと経営が順調なときではなく、不調なときほど頼れる存在でなければいけません。そういう意味で、平常時に言語化した、安心感のある言葉であることが大切です。

では、具体的にどのように言語化すればいいのか、というと、以下の３つを言葉にしてみることをおすすめします。この３つは以前からこのブログでもお伝えしている経営理念の３要素でもあります。

事業の目的（なぜその事業をするのか）
事業の目標（なにをその事業で目指すのか）
事業の行動指針（目的や目標を達成するためにどのように行動するか）

このうち、行動指針は複数あっても問題ありません。むしろ、ひとつに絞ることのほうが難しいかと思いますので、このように行動すれば成果を得られる確率は高くなる、と思うものを列挙していただければと思います。

ちなみに、かくいう私もスモールビジネスオーナーです（少しかっこ良く表現しましたが）。そして自社の経営理念を眺めながら仕事をしています。

もっというと、この経営理念は仕事はもちろんのこと、プライベートで力を発揮することもあります。特にバリュー（価値観・行動指針）はプライベートの自分が怠惰な生活を送るのを防いでくれることが多々あります。

ですので、スモールビジネスでの判断軸（経営理念）は仕事での効果があるだけでなく、人生全体の判断軸になるといっても過言ではないといえます。