こんにちは、島田(@mshimada_tax)です。
新規事業を立ち上げたり、会社を新しく設立したりして、イケイケドンドンの絶好調のときは仕事を苦に感じないかと思います。
自分がやりたいことができて、それに共感した仲間が集まってくれるとやりがいがありますよね。
いっぽうで、そんな絶好調な状態の経営者であっても、常に頭を悩ませているのがお金の問題です。
このお金の問題は2種類あります。それは、
- お金が増えない問題
- お金を管理しなければいけない問題
前者は文字通りで、なかなかマネタイズできるまで時間がかかることが理由です。
起業をした方ならほとんどの誰しもがまず苦労する問題ですよね。
そして、後者は経理や確定申告といった裏方業務の対応が追い付かないという問題です。
後者が問題になるのは、忙しくて時間がとれないというのが主な原因になります。
法律上対応しなければいけない義務であるため、やる気が起きないのは当然であることはいうまでもありませんが。
本記事では、後者の「お金を管理しなければいけない問題」について考えていきたいのですが、実際のところ手が回ってにいない方も多いのではないかと思います。
これは決して私の推測ではなくて、若くて事業をはじめたばかりの起業家の方をみていると、「やらなきゃいけないことは分かっているけど手を付けられていない」と仰っている方が多い印象です。
でも、それはある意味当たり前のことだとも思います。
なぜなら、特に起業初期は営業、企画、広報、商品開発といったお金を増やす活動に専念せざるを得ないからです。
つまり、先ほどの2つのお金の問題にかける時間の優先順位は、「お金が増えない問題」>「お金を管理しなければいけない問題」だということです。
言い換えれば、「お金を管理しなければいけない問題」にかける時間は最小限にしなければいけません。
本記事では起業して間もない方が「お金を管理しなければいけない問題」を効率的に解決するために、最低限これだけは守って欲しいということをお伝えしていきます。
これらを守っていただければ、お金を増やす活動に集中していただける環境が整うと思います。
ちなみに、お金の管理法だけではなく、起業や会社設立に関する手続き面を含めた解説はこちらのLINEで受け取れますので、ご興味のある方は登録してみていただければと思います。
それでは、早速みていきましょう。
お金を預ける
まずやっていただきたいのは、お金を金融機関に預けることです。
「え、そんなの当たり前じゃないの?」
と思われるかもしれませんが、実際にまだまだ現金を手元で管理している事業者も見かけます。
それほどたくさんいる、というわけではありませんが、特に個人事業主でまだ規模が小さく、取引が少ない事業者ほどその傾向にあるという印象があります。
確かに、それでやりくりできるかもしれませんが、お金を無くしてしまったら大変です。
せっかく汗水垂らして稼いだ大事なお金を失ってしまうのは悲しいという表現では収まりきらないほどの衝撃だと思います。
ですので、特に個人事業主であれば、売上をはじめとした入金用の金融機関の口座を開設してください。
法人ももちろん同じです。
事業用の口座を持っておけば、プライベートで使い切ってしまうなんてことにはなりません。
そして当然ですが、口座に預けさえすれば残高と入出金の履歴が残ります。
手元で管理していては、毎回お札と小銭を数えなければいけません。
それでは間違う可能性がありますし、何より時間がかかります。
事業用の入金口座を開設することは一見手間に感じるかもしれませんが、自分の手元で管理するより格段に経理がやりやすくなります。
ではどこの金融機関で開設すればいいか。
入金用の口座は、お客様が見ることになるので、信頼性を重視するなら、ネット銀行ではない従来型の銀行や信用金庫が無難かと思います。
ただ、特にメガバンク等は犯罪防止のため事業用の銀行口座を簡単には開設させてくれません。
どうしても開設できない場合は、ネット銀行などで開設することになりますが、まずは入金用の口座を開設することを優先していただき、実績が出てきたら従来型の銀行や信用金庫の口座を開設してもいいかと思います。
お金を分ける
ここまでで、入金用の口座を開設する必要性をお伝えしましたが、同じように、支払用の口座も開設するのがお金を上手に管理するコツになります。
支払用の口座は、①経費の支払用と、②税・社会保険の支払用の2つに分けておくのが、使い過ぎ防止には理想的です。
理由は、経費を使い過ぎると税金や社会保険の支払いができなく可能性があり、それを防ぐことができるからです。
①経費の支払用は振込手数料が安い(もしくは無料の回数が多い)ネット銀行、②税・社会保険の支払用は従来型の銀行や信用金庫の口座を使うと良いでしょう。
②税・社会保険の支払用については口座開設時に、社会保険など自動引き落としできるものは口座振替手続きをしておけばより効率化できます。
支払用の口座の運用のポイント
当然のことながら、入金用の口座からそれぞれ2つの支払用の口座に振り込みするのを忘れないようにしてください。
①経費の支払用は毎月一定額の予算を決めて使い過ぎないようにしつつ、設備投資や保険料など臨時的な経費もしっかりと加味した上で残高管理をすることが大切です。
②税・社会保険の支払用の口座に関しては、前年の利益や給与の支給実績で払う額が事前に決まっているので、少なくともそれの数か月分の残高があるように準備しておくことがポイントです。
ネット証券でまとめるのもあり
さきほど、①経費の支払用と②税・社会保険の支払用の2つに分けるのが使い防止には理想的とお伝えしましたが、利便性をとるならネット証券でまとめてしまっても良いかと思います。
おススメは、②の税・社会保険の支払でPay-easy(ペイジー)ダイレクト納付が使えるGMOあおぞらネット銀行です。
ダイレクト納付とは、税金や社会保険の納付を、簡単な操作で納入することができるサービスです。
現在、ネット銀行だと対応していないところがほとんどですが、GMOあおぞらネット銀行は対応しています。
また、初年度に振込手数料の無料回数が付与されているので、①経費の支払用としてもお得に使えます(これに関してはキャンペーンなのでその都度ご確認ください)。
(2023年9月8日追記:GMOあおぞらネット銀行では、小規模企業共済の申し込みも、9月からオンラインで完結できるようになりました。詳しくはこちら。)
クレジットカードを使う
最後のポイントは、事業用のクレジットカードを使うということです。
先ほど、銀行に預ければ残高と入出金の履歴が残るとお伝えしましたが、それでは出金したあと何に使ったのかまでは履歴として残りません。
経理をしていくためには、お金をいつ、何に、どれくらい使ったのかという情報が必要になってきます。
領収書や請求書をみながら手動で記録していくのもいいのですが、クレジットカードを使えばそれらの情報が利用明細から確認できます。
そして何より、会計ソフトとの連携によって経理が格段に楽になります。
Freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトとの連携で、自動仕訳ができるので、経理の手間まで省くことができるようになります。
なので、どこのクレジットカードを使うか検討するときには、会計ソフトとの連携に対応しているものから選べばよいでしょう。
とはいえ、今ではほとんどのクレジットカードに対応しているので、そんなに困ることはないと思いますが。
作成したクレジットカードは先ほどの①経費の支払用の口座と紐づけていただければと思います。
一応補足ですが、クレジットカードはプライベート用とは別に、事業用のものを作ってください。
プライベート用と兼ねてしまっては、会計ソフトと連携するときに一手間二手間かかってしまいます。
兼用すると利用限度額も兼用することになるので、限度額にすぐに到達してしまうリスクもあります。
まとめ
ということで、今回は特に起業時に心得ておきたいお金の管理方法をお伝えしてきました。
お伝えした3つは、事業に集中するために最低限必要なことですので、もう一度要点をまとめておきます。
- お金を預ける:入金用の口座を開設する
- お金を分ける:経費と税・社会保険の支払用の口座をそれぞれ開設する(ネット銀行でまとめるのもあり)
- クレジットカードを使う:事業用のクレジットカードを作って会計ソフトと連携させる
最後に、今回は起業時に焦点を当てましたが、日々の経理の効率化のコツはこちらのLINEで定期的に配信していますので、経理に苦手意識がある方はぜひご登録してみていただければと思います。