【note】税理士のアタマの中

【歯科医師向け】勤務医でも確定申告が必要?判断基準と節税ポイントを徹底解説

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目次

はじめに

こんにちは、島田(つぶやきはこちら)です。

歯科クリニックに勤務されている歯科医師の皆様、毎日の診療業務お疲れ様です。

「確定申告は自分に必要なのか?」「どうやって進めればいいのか?」と疑問に思われている方はは意外に多いのではないでしょうか。

実は、勤務医の方でも確定申告が必要なケースや、申告することで税金が戻ってくるケースは少なくありません。

この記事では、勤務という働き方だからこそ知っておいてほしい確定申告の基礎知識を解説していきます。

勤務医でも確定申告が必要なケース

まず、確定申告が法律上義務となるケースを確認しましょう。

① 給与収入が2,000万円を超える場合

年間の給与収入が2,000万円を超えると、年末調整の対象外になり、確定申告が必須です。

この給与収入の意味は、手取りではありません。
税金や社会保険料を引く前の総支給額」を指します

じゃあどこでそれを確認すればいいのかというと。

個人医院や医療法人から給与を受け取っている方は、年明け1月中には、勤務先から前年の源泉徴収票の発行を受けることになりますが、そこで確認できます。

給与収入は源泉徴収票の支払金額です。額面や総支給額と言われることもあります。


給与収入2,000万円の場合は、勤務先から「あなたは年末調整の対象外ですよ」と通知が来ることがほとんどかと思います。

年末調整は会社員に変わって、勤務先が確定申告をしてくれるような手続きなので、対象外となっている場合は、漏れなく対応をお願いします。

② 2箇所以上から給与を受けている場合

メインの勤務先以外に、非常勤として他のクリニックでも勤務している場合において、メイン勤務先以外の給与収入と副業収入(性格には所得。内容は次の③参照)が20万円を超えると確定申告が必要になります。

というのもメインの勤務先以外からの給与収入は年末調整の対象外になっているからです。

たとえば口腔外科の先生は週に1回、それぞれの曜日で違う医院さんで診療しているということもあるでしょう。

あと注意していただきたいのが、MS法人や関連会社の役員になっているパターンです

この場合は役員報酬を受け取っている可能性が高いと思いますが、年末調整の対象外となっているはずなので、確定申告で精算する必要があります。

相続税はじめ税金対策で複数の会社(法人)の役員になっているケースもよく見受けられるので、確定申告で集計漏れがないように必要資料を揃えていただければと思います

③ 副業収入がある場合

上記②で言及した副業収入とは、例えば次のようなものです。

  • 歯科医療関連のセミナー講師料
  • 執筆活動による原稿料
  • 歯科関連企業からのコンサルティング収入

これらは歯科医師としての立場での収入で、一般的には雑所得に該当します。

経験を積んだ歯科医師ほど、講演や執筆の機会が増えるので注意が必要です。

いっぽうで、不動産を所有していて、医療法人や関連会社から賃料を受け取っている場合は、不動産所得が発生していることになるので、基本的には確定申告の対象になってきます。

不動産所得はいわゆる不労所得であり、収入の実感が薄く集計から漏れやすくなっているのでご注意をお願いします

確定申告を推奨するケース(還付申告で節税)

法的義務はなくても、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性があるケースがあります。

① 医療費控除が利用できる場合

ご自身やご家族の医療費が年間10万円を超えている場合、超えた分が所得控除の対象になります。

そして医療費控除は年末調整で控除することはできないので、確定申告が必要になります。

普段は患者さんから医療費控除の対象になるか質問を受けることがあるかもしれません。

ご自身が医療費控除対象となる高額医療費を払っているのに確定申告で医療費控除の適用を受けることを忘れないでいただければと思います。

② 住宅ローン控除(初年度)

自宅を建設・購入してローンを組んだ場合、初年度は確定申告が必要です。

住宅ローン控除は税額控除(所得ではなく所得から税率をかけた税額からダイレクトに控除ができる)のため、医療費控除などの所得控除と比べて恩恵は大きくなります。

特に初めてご自身で確定申告が必要になった時期と、住宅ローン控除の初年度が重なった場合は漏れやすくなるのでご注意していただければと思います

確定申告をスムーズに行う方法

① 日頃から書類を整理する

医療費の領収書、副業の請求書、学会参加費の領収書など、月ごとにファイリングする習慣をつけましょう。年度末に慌てずに済みます。

② 源泉徴収票を早めに入手する

複数の勤務先がある場合は、すべての源泉徴収票が必要です。1月中には入手できるよう、早めに依頼しましょう。

③ 確定申告のスケジュールを把握する

  • 確定申告期間: 2月16日〜3月16日(令和7年分、令和8年申告の場合)
  • 還付申告: 1月から受付開始


期限ギリギリまで済ませていないのに、そういうときに限って退職者が出たり、医療機器が故障したりするものです。

そうなる前に済ませてしまいましょう。

早めに申告すれば、還付金も早く戻ってきます。

④ 確定申告コーナーを活用

じゃあ具体的にどうやって確定申告すればいいのかという話ですが、一般の方であれば、国税庁の確定申告作成コーナーで充分かと思います。

また、e-Taxを利用すれば自宅から24時間申告が可能です。マイナンバーカードがあれば、税務署に行く必要もありません。

特に将来開業を考えるなら、e-Taxはじめ電子申告の利用開始をしておくことを強くおすすめします

将来の事務手間は省けるときに省いておきましょう。

ただし、初めての方にとっては入力項目が多く、時間がかかることも事実です。

不明点は早めに税理士に相談することをおすすめします。

確定申告でよくある失敗例と注意点

申告作業を進めるうえで、特に気をつけていただきたいことを列挙します。

  • 複数勤務先の源泉徴収票を1つだけ提出してしまった
  • 医療費控除の対象範囲を誤解していた(交通費が含まれることを知らなかった)
  • 副業収入を「雑所得」と「事業所得」で間違えた
  • 請求書や領収書の保管義務を知らず、捨ててしまった
  • 期限を過ぎてしまい、無申告加算税がかかった
  • 適用できる控除を適用し忘れてしまった

最後に関しては、iDeCoや小規模企業共済の掛金控除、生命保険料や地震保険料の控除、寄付金控除(ふるさとの納税)の控除忘れがないようにお願いします。

申告自体は楽なのですが、正しい申告をするためには適用できるルールを慎重に検討する必要があります。

確定申告後の対応

納付を忘れずに

確定申告は提出をしたら終わりではありません。

納付する税金があるなら、納期限までにお金を納める必要があります。

所得税の納期限は申告期限と同じ3月16日(令和7年分、令和8年申告の場合)です。

ただし、振替納税(指定の銀行口座から引き落としで事前の手続きが必要)は4月23日となっています(令和7年分、令和8年申告の場合)。

申告が間に合っても納付が遅れたらプラスアルファのお金を払うことになるので、納付まで忘れないようにしましょう

なお、確定申告が還付申告となる場合は、だいたい申告から1〜2ヶ月くらいで還付金が振り込まれます。

もし申告を間違えたら

もし確定申告の内容を間違えて提出しても、申告期限までであれば出し直すことができます。

いっぽうで申告期限後に間違いに気づいた場合は、修正申告(税額が増える場合)や更正の請求(税額が減る場合)ができます。

いずれの手続きも先ほど紹介した国税庁の確定申告コーナーから提出できるので、違いが発覚したらできるだけ早く対応するようにしましょう

作業メモを残しておく

確定申告作業が終わったら、ぜひ記憶が新鮮なうちに作業メモを残しておいてください

必要な書類や、自分が間違いやすいポイントや、パソコンの操作の仕方などなど。

翌年以降スムーズかつ同じ間違いをすることなく、申告ができるようになります。


もしそういった作業メモを残すことが面倒だったり、そもそも申告作業が面倒くさい、苦手、合っているかわからないという不安がある方は、一度税理士を頼ってみてもいいかもしれません。

僕はこちらのメニューで受け付けていますので、ご自身の状況に応じてご検討いただければと思います。

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