【note】フリーランスのお金と暮らしの話

繰り上げ返済の前に検討しておきたい資金の使い道

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資金繰りに余裕が出てくると、繰り上げ返済を検討することもあるでしょう。
ただ、せっかく借りることができた資金をそのまま返してしまうのは、もったいないという側面もあります。

今回は、繰り上げ返済を実行する前に、最低限考えておきたいことをお話ししていきます。

使い道が分からなくなった海外のお金
目次

会社の成長のためにより良い使い道はないか

繰り上げ返済とは、金融機関との当初の取り決めよりも先に借入金の全部、もしくは、一部を返済することです。

特にいまは、コロナ禍のゼロゼロ融資で資金を借りることができた一方で、あまり使い道がなく、もうすぐ利子の支払いが始まるので、そのタイミングで一気に返済してしまおうか、と検討しているというお話を見聞きします。

そこで、今回お伝えしたいのは、借りた資金を使わずに返済するのではなく、会社の成長のためにもっと有効的に活用できる方法はないか、ということです。
ちなみに、繰り上げ返済のデメリットについては以下の別記事で紹介していますのでご参考にしてください。


話を戻しまして、繰り上げ返済の前に、借りることができた資金の活用方法を検討した方が良い理由をお伝えします。

それは金融機関が次いつ貸してくれるか分からないから、です。基本的に、金融機関は現預金をたくさん持っている会社へ積極的に融資をします。なぜなら、利息を稼げて、かつ、貸したお金が返ってくる可能性が高いからです。

この点、いま会社はゼロゼロ融資などのおかげで資金に余裕があるものの、将来ずっとその余裕がある状態をキープできるか、というとどうでしょうか。

要するに、設備投資や事業拡大といった本当に資金が必要なときに、金融機関が会社の要望どおりに貸してくれない可能性を考えるべきだということです。

ですので、借りることができている資金を有効に使う手立てはないかを検討することには大きな意味があります。

ということで、次からは具体的にどういった活用方法を検討すべきなのか、ということをお話ししていきます。

従業員への還元

まずは、従業員への還元、つまり、余裕資金を給与の財源として活用する方法です。具体的は、賃金水準のベースアップや賞与での一括支給が考えられます。

これによって、従業員の勤労意欲の向上や優秀な人材の確保を期待することができるでしょう。特に、昨今は物価高の上古いうもあるため、従業員の暮らしにも大きく貢献するはずです。

また、正社員とパート・アルバイトとの賃金格差の是正のために充てることもできます。

さらには、給与や賞与の財源だけではなく、福利厚生の充実のための財源に充てるという考え方もあります。たとえば、従業員の成長のための教育研修費に使ったり、育児・介護休暇制度の導入や拡充のために使ったりすることが考えられます。

話は逸れますが、賃上げをすることで税額控除を適用できる可能性があります。この制度を賃上げ促進税制と呼びます。税額控除は節税効果が高いので、賃上げをする際にはぜひ一緒に検討することをおすすめします。

設備への投資

次に紹介するのは、機械設備やIT設備への投資の財源として活用する方法です。このような設備投資をすることで、生産性(従業員1人が生み出す付加価値額)の向上が期待できます。設備投資と生産性向上の考え方については、こちらの別記事をご参照ください。

また、設備によっては生産性を上げる目的だけではなく、公害防止や安全対策として有効的な投資もあるでしょう。社会的責任を果たすために最低限必要になる投資ともいえます。

加えて、特にIT設備への投資は結果的に固定費の削減につながる可能性があります。たとえば、経理などのバックオフィス業務のクラウドシステム化などがそうです。

なお、設備投資にも税額控除の制度があるので、適用を検討される場合は顧問税理士先生に聞いてみてください。

新規需要の喚起

正解、不正解はそれぞれの企業戦略で違うという前提はありますが、余裕資金があるうちに値下げをしてみる、という戦略もあるでしょう。給与での還元が従業員への還元なら、値下げでの還元はお客様への還元です。

ここで、売上高の構成要素をみてましょう。売上高は「単価」「数量」「リピート率」から成り立っています。したがって、値下げは「単価」を下げることを意味し、売上高の減少につながります。

一方で、値下げで「単価」下げることにより、「数量」と「リピート率」が上がる可能性があります。

「数量」でいえば、値下げをすることによって従来まで購入できなかった層がお客様になることが期待できます。また、「リピート率」でいえば、値下げによって同じお客様が何度も商品を買えるようになるという効果が期待できるでしょう。

つまり、「単価」のダウンによる売上高の減少より、「数量」と「リピート率」のアップによる売上高の増加が上回ると総合的に売上高が増加するということになります。

必ずしも、値下げ戦略が正しいとは言えませんが、このような効果があるということは念頭に置いておくと良いかと思います。

まとめ

繰り上げ返済ができるような、資金に余裕がある状態において、繰り上げ返済の前に検討しておきたい資金の活用方法をお伝えしました。

自社の財務戦略にお役に立てていただければ幸いです。

◆編集後記

冬用のダウンコートをクリーニングに出す時期かと思いきや、
今日は少し肌寒いです。タイミングが難しいですね。

◆家トレ日記

逆立ち腕立て10回×3セット

◆ 1day1new

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