こんにちは、島田(@mshimada_tax)です。
以前、こちらの記事で商品力はコンテンツとキャラクター(個性)の掛け合わせであり、両方がうまく噛み合っていないと魅力的な商品にはならない、とお伝えしました。
今回は特に、コンテンツにフォーカスを当てていきます。
コンテンツとは商品の中身のことです。
人によっては「コンセプト」と言う方もいらっしゃいますが、とりあえず表現の正確性は二の次にして、今回は便宜上「コンテンツ」と呼んでいきます。
コンテンツはとても単純で、次の3要素で成り立っています。
- だれの(Who)
- どんな課題を(What)
- どのように解決するか(How)
では、ビジネスをする上で、このコンテンツはいつ、どの段階で固めておくべきなのかというと、私は初期の段階だと考えています。
要は、上記の3要素が定まっていないとビジネスは始められない、と言っても過言ではないかと。
理由は単純で、コンテンツがはっきりしていなければ売るに売れないからです。
ショーウインドーに値札だけ置いてあっても売れるわけがないですし、今でこそオンラインストアが発達したものの、まだまだ手に取って触ったり、実物を見たりしてもらわないと売れない商品は多いですよね。
有形の商品であっても売るためのハードルは高いので、無形の商品であればなおさらそのハードルは高くなります。
無形の商品とはサービス業のことです。
我々士業やコンサルタントもここに分類されます。
でも逆をいえば、コンテンツがはっきりしていれば売る行動のスピードと精度は上がります。
ということで、今回はコンテンツを初動の段階で固めておいたほうがいい理由をお伝えしていきます。
メッセージを差別化できる
商品を売るためには、必要としている人に対して商品説明をしなければいけません。
オンラインにしろ、リアルにしろ、話すか、紙に書くか、ネットに書くか、の形式が違うだけでやらなければいけないことは共通しています。
重要なのは、どの手段であっても必要としている人に必要だと思ってもらうことです。
そのためには、そのメッセージが具体的である必要があります。
たとえば税務顧問がコンテンツだとします。
この場合、先ほど説明した①から③は、①事業者の、②決算・申告ができない又はする時間がない、という課題に対して、③代わりに作って提出してあげる、となり、これが伝わって顧問契約を結んでもらえることになります。
ただ、これでは他の税理士との差別化はできていませんよね。
そこで、①の対象を特定の業種に絞ってみたり、②の課題を特定の税目に絞って見たり、③の解決策でITを使うことに特化したりしていく必要があります。
この差別化は、自分の経験や得意分野で磨いていくことになりますが、それが難しければとりあえず身近で困っている人のお手伝いをして、その人と同じような課題を持つ人に特化する磨き方をしてもいいでしょう。
いまご紹介したのはあくまで税理士業界の例ですが、考え方はどの業種でも同じです。
こうすることで何が変わるかというと、商品を提供する側が発信や営業をしやすくなります。
というのも、”その他大勢”に向けて発信や営業するのではなく、特定の業種や自分の強みにフォーカスできることで、内容が鋭くなるからです。
伝える言葉が鋭利になって、文字どおり届けたい人の心に刺さりやすくなります。
その結果、商品を提供する側は、発信や営業にかける時間とお金から、効率的にマネタイズすることができるようになるわけです。
手段が選びやすくなる
コンテンツを初動の段階で決めておくと、メッセージの内容の差別化と同時に、それを伝える手段の選別も簡単になります。
たとえば、①誰に対して商品を提供するのか、ということに関していうと、高齢者向けなのか若者向けなのかで、商品の良さを広げるために必要な手段は変わってくるはずですよね。
高齢者向けの商品だったら、紙の説明資料を用意したほうが伝わりやすいかもしれませんし、オンラインよりも対面のほうが接触できる可能性は高くなるかもしれません。
反対に、若者向けの商品だったら、動画資料のほうが伝わりやすいかもしれませんし、対面よりもSNSなどのオンラインのほうが接触できる可能性は高くなるかもしれません。
また、②のどんな課題を解決するのか、ということに関しても、メッセージを伝える手段が変わる要因のひとつになります。
我々の業界でいうと、日々相談を受ける企業の課題はヒトとカネの2つに大別されます。
ヒトの課題とは、若手社員が育たないとか、社員が指示どおりに動いてくれないといった類の課題ですが、これらの課題に対しては感情で社員とぶつかることになるので対面で人柄を知ってもらったほうが良いケースが多いです。
反対に、カネの課題の多くは資金繰りの課題ですが、シミュレーションがしっかり把握できるようになっていれば、オンラインでタイムリーなデータをみせたほうが良いケースも多いでしょう。
③のどのように解決するのか、も同じで、1対多で数多くの人の課題を同時に解決するコンテンツか、1対1でみっちりその人の課題を解決するコンテンツなのかで、コンテンツの良さを伝える手段は変わってくると思います。
このように、コンテンツの土台が初期段階でしっかりと定まっていると、「どの手段を使って広げたら理想とするお客さんに手に取ってもらいやすくなるのか」という迷いがなくなります。
キャラクターが定まる
最後は少し抽象的な話になりますが、自分のコンテンツが定まっていると、仕事の姿勢というか立ち振る舞いも決まってきます。
というのも、たとえば、お金好きの人をターゲットにするのか、ゆっくりとした時間を過ごしたい人をターゲットにするのかで、売る側がどんなキャラクターなら買ってもらえそうかが変わってくるからです。
お金好きの人がターゲットなら、自分もある程度お金を持っているアピールをしなければいけません。
どんなに魅力的なコンテンツを売っていても、その売っている人が貧乏だったらそのコンテンツの正当性はなくなってしまうので。
逆に、ゆっくりとした時間を過ごしたい人に対してお金を持っているアピールをしたら、ぎらついていると思われて敬遠されるかもしれません。
つまり、冒頭に商品力はコンテンツ×キャラクターとお伝えしましたが、キャラクターはコンテンツ次第、という側面もあるということです。
なので、売りたいコンテンツが売れるためのキャラクターを探って、それが素の自分そのままなら問題ありませんし、仮に演じる必要があったら演じられる許容範囲なのかを確かめなければいけません。
大袈裟かもしれませんが、仕事のコンテンツがその人の人生を左右すると言っても過言ではないかと思います。
それだけ上記のコンテンツの3要素を固めることは大きな意味があるものだといえます。
まとめ
今回は、コンテンツの意味と、それをビジネスの初動で決めたほうが良い理由をお伝えしました。
みなさんもこの機会に、自社の商品のコンテンツ3要素を言語化して、振り返ってみていただければと思います。
- コンテンツの中身は、①だれの(Who)、②どんな課題を(What)、③どのように解決するか(How)
- コンテンツを磨くと、発信や営業で使うメッセージの差別化ができる
- コンテンツを磨くと、商品の良さを伝える手段が明確になる
- コンテンツを磨くと、自分のビジネスパーソンとしてのキャラクターが定まる